若桜木虔先生の指導でデビューした方々の声(松葉屋なつみ)
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『第10回・C★ノベルス大賞・第4回・創元ファンタジイ新人賞受賞』
私が添削講座を申し込んだのは、まさに『作家志望者あるある』ですが、独学での成長に行き詰まりを感じたからです。
それまでは文章読本を読み漁ったり、作家の方々の修練を真似してみたりと、試行錯誤の繰り返しでした。どうにか基礎は身に付いたものの、受賞を狙うには大きな課題が。私には、作品を客観的に見つめる『他者の視点』が抜けていたのです。
ネットで見つけた当講座を、藁にもすがる思いでクリック。メールでの添削が始まってすぐに、先生が大変に迅速かつ、はっきりとモノを仰る方だと分かりました。提出や質問には、翌日さっそく指摘が入り、どこが駄目か、なぜ駄目なのかをズバリと教えてくださいます。容赦がないうえ、直さなくては続きに取りかかれません。
(プロは、ここまで追及するのか……)道理で受賞など覚束ないはずです。
毎回のように苦しみましたが、そのうち「あっ、ここは修正が入るかも」とセンサーが働くようになり、やがて『指摘を踏まえつつ、いかにして、やりたいことをやるか』と策を練るのが楽しみにさえなりました。このとき身につけた勘や改稿への考え方は、出版社との打ち合わせに活かされています。
また、思わぬ方向からの発想をいただけたりもしました。とあるプロットを提出したときの話。「SF仕立てにしてみたら」と思ってもみないアドバイスを受け、大いに面食らいました。SFを書いた経験はありません。しかし、先生がそう仰るのならと半信半疑で資料を掻き集め、1から作り直したプロットが、後に初受賞を果たす作品です。
書き上がった初稿は拙いものでしたが、(自分にもここまでやれるんだ)と自信が芽生え、これが転機だと感じられました。もともとの狭い視野からだけでは、決して生まれなかった物語です。
その後、講座を卒業し、二度の受賞を経て、現在は新たな物語に挑戦しています。しかし、培われた視点は自分の中に根を下ろしており、今でも「あっ」とセンサーが起動するのです。
先生の数多い指南本の中から、『プロ作家養成塾』をお勧めします。
(ベストセラーズ刊)
基礎中の基礎から各ジャンルのポイントまでが網羅されており、どちらかと言えば初級編といった趣ですが、ズバリと切り込む鋭さは健在です。
当時よほど感銘を受けたらしく、ノートに大量のメモが残っていました。
『小説家はサービス業である』
『発想の質を高めることも大切。同じことを考えている人間は、3人はいる』等々。
バイブルとなっている一冊です。
[wakasaki_debut]