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公募ママ

公募歴2年半にして入選回数100以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

「好きな番組が入っていたが、眠かったので布団を着て寝た」

この文章に違和感はありますでしょうか。

なんとも思わない方は、地方出身者だと思われます。

これは本来、

「好きな番組がやっていたが、眠かったので布団をかぶって寝た」

と訳せば正しいでしょうか。標準語勉強中の私には正解すらわからないのですが。

私はこれまでに東北、北海道、関東をぐるぐると引っ越してきました。

そのため、方言が混ざり合って標準語に自信がないのです。

そしてこれは、文章を書くときに深く響いてきます。

それは、初めて小説を書いたときのことでした。

短編小説やショートショートは最近募集も多く、私も短めのものなら書けるかもしれない!と、挑戦してみたのです。

内容をざっと説明しますとこんな感じです。

「いつも靴が汚れている少年が社会に反発しつつも努力をし、ピカピカの靴を履ける大人になるまで」

というハングリー精神を露骨に描いたなんとも泥臭い話ですが、重要なキーワードとなる「靴」が問題でした。

私はその少年の靴のことをなんともなしに「彼のズックは~」と常に書いていました。

しかし、東京出身の友人に話すと「ズックってなに?」と言われてしまったのです!

確認のため北海道の友人にも聞いてみました。すると、

「ズックって言うけど、もうあんま使わないっさ」

なんと方言というだけではなく、古くもなっていたとは……言葉には鮮度もあるのですね。

過去には「ふるさとへの手紙」や「ふるさとの詩」という公募で、方言を使い入選した経験があります。

文中に方言を入れたのは、自分の故郷の言葉が大好きで誇りに思っているからです。

状況によっては、方言を使わなければ伝わらないニュアンスもあります。

そのようにあえて使うのであればいいのですが、無意識に使ってしまうこの切なさ。

標準語に自信がない分、言葉の使い方は人一倍意識しなければ……と思わされる日々です。

地方出身者の方は愛すべき方言が、もしかすると思わぬ落とし穴となっているかも!?