向井千秋さんが宇宙で詠んだ短歌の下の句を考えよう
31回目となる「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」ですが、今回は愛媛県松山市で行われます。松山にゆかりのある正岡子規・夏目漱石が今年、生誕150周年の節目を迎えるということもあり、「宇宙をテーマにした俳句」と、「向井千秋さんが宇宙で詠んだ短歌の下の句」の2テーマを募集しています。
子規と宇宙にどんな関わりが?と思うかたも少なくないと思いますが、今から20年前、筑波宇宙センターで行われた会議に出席したNASAのダニエル・S・ゴールディン長官が、冒頭で、子規の俳句を使ってあいさつしたことがきっかけともいわれています。
『漕ぎ抜けて 霞の外の 海広し』
「かすんだ中を漕ぎ抜けて出たら、大きな海が広がっていた」という意味のこの句を引用し、よりいっそうの宇宙開発に漕ぎ出そう、とスピーチしたのです。これを受けた日本側は、JAXAの前身となる当時のNASDA(宇宙開発事業団)が「この俳句に七七をつけて短歌にして返そう」と下の句を練り、
『藍とうとうと 流れ合いたり』
と、藍色(の宇宙)が、互いに流れ合うさまを詠み足したそうです。また、翌1998年にはスペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙に行った向井千秋さんが
『宙がえり 何度もできる 無重力』
と無重力体験の感動を詠んだことも話題になりました。これに「下の句を付けて」と呼びかけたところ、国内外から14万5千首が集まり、選ばれたのがこの2作です。
一般の部
『湯舟でくるり わが子の宇宙』
小中学生の部
『水のまりつき できたらいいな』
今回も、この向井さんの詠んだ短歌の下の句を募集しています。日本で継続的に星の観測がはじまったのは江戸時代後期ですが、宇宙からすれば、ほんのひと昔前。変わらない星空に想いを馳せてみてください。
公募情報の詳細はこちら:https://www.koubo.co.jp/contest/literature/tanka/028141.html
子規・漱石生誕 150年記念「宇宙の歌・宇宙の句」作品募集(2017年2月28日〆切)