秋を感じたら、虚子になって『花鳥諷詠』的、俳句を詠んでみよう!
今年で10回目となる『虚子生誕記念俳句大会』の参加作を募集しています。来年の2月19日に行われる「俳句祭」にて、入選作品が発表されます。会場は、芦屋にある虚子記念文学館。館長をつとめているのは、お孫さんであり、俳誌「ホトトギス」名誉主宰にして、日本伝統俳句協会会長である稲畑汀子さんです。
高浜虚子は、明治~昭和初期を代表する俳人です。生まれ故郷、松山でベースボールをきっかけに正岡子規と出会い、まだ中学生だった虚子は、8歳上の子規から俳句をならいはじめました。子規は、本名の清(キヨシ)から虚子(キョシ)という俳号を与えたとされています。しかし、この時、彼(キョシ)にとって89歳という生涯に20万以上の句を詠むほどの、長い俳句人生が始まろうとしていたとは、思いもよらなかったのではないでしょうか。
1902年(明治35年)、俳誌「ホトトギス」を創刊に携わっていた子規は、結核をわずらい、34歳という若さでこの世を去ってしまいます。虚子は、四季の移り変わりによる自然界や人間界のあらゆる出来事を、そのまま見たままに詠おうという「花鳥諷詠」の考えをひろめました。また、多くの門下生も育て、1954年には俳人として初の文化勲章を授かりました。
ホトトギスでは「台所雑詠」と名づけた投稿コーナーを作り、女性に俳句を詠むようにすすめました。台所というキーワードが身近であったため、女性たちのあいだで話題をよびました。
虚子は松山から東京、そして鎌倉へ引っ越しをしています。長いあいだ暮らした由比ヶ浜がお気に入りで、晩年もここで過ごしていました。現在、住居あとには句碑が建てられています。
-波音の由比ケ濱より初電車-
実際に訪れて虚子が観た風景を感じれば、句の持つ味わいが、より伝わってくるかもしれませんね。
高浜虚子から受け継がれた日本の美しい季題を知りたい人にオススメなのが、『ホトトギス新歳時記』です。第三版では新たに30の季題が追加されたり、大きな活字のタイプも販売されるなど、俳句をつくる実用書として役立ちます。ぜひ本を片手に、または秋の散歩道をてくてくと歩きながら感じる自然を、五七五の奥深い世界に投句してください。
公募情報の詳細はこちら:https://www.koubo.co.jp/web/literature/haiku/detail024937.html
第10回虚子生誕記念俳句祭 俳句募集(2016年12月10日〆切)