しゃがめば港区も虫だらけ「第二回むしむし動画コンテスト」
広島市森林公園昆虫館が第二回むしむし動画コンテストを主催する。全国から応募可能で、募集テーマは『昆虫』を題材とした動画作品。最優秀賞には賞状と賞金3万円が贈られる。締切は2023年10月31日。
※本記事には虫の名前や、虫をモチーフにした作品が出てきます。苦手な方は閲覧にご注意ください。
どんな作品が期待されている?
主催の広島市森林公園昆虫館からは、こんなコメントが届いている。
昆虫たちの面白い生態を切り取った動画作品をお待ちしています。珍しい昆虫だけでなく、普通に見られる昆虫のユニークな行動や普段見られない行動を収めた動画作品を楽しみにしています。 広島市森林公園昆虫館 |
都市部のどこに昆虫が?
「昆虫たちの面白い生態」はどこで見られる……?
都会に暮らしていて「昆虫」を身近に感じていない方も多いはず。
しかし、身近に昆虫はいる。「都市部の自然豊かな場所」ではなく、都心の道路や整備された公園にも昆虫はたくさんいるのだ。公園や道にしゃがみこんで見ればわかる。足を伸ばす必要すらない。
たとえば、公募ガイド社は東京都港区に位置している。東京タワーのふもとの、都心も都心。そんな場所に虫なんていなさそうに思えるが、外にいると昆虫たちを容易に発見できる。徒歩一分圏内にある芝公園を実際に歩き回って、虫たちを探してみた。
港区の公園で発見できる昆虫
芝公園はよく整備された公園。そんな公園でも15分で三種類の昆虫を発見できた。
ウラゴマダラシジミ
小さいチョウが、高速で目の前を横切っていく。頑張ってその姿をスマホで撮影し、観察してみると「ウラゴマダラシジミ」であった。北海道から九州まで幅広く分布するこのチョウはあなたの住んでいる場所の近くにもいる可能性が高い。
シジミチョウ科のなかでも、ウラゴマダラシジミの属する「ゼフィルス」という一群は、卍巴(まんじともえ)飛行と呼ばれる特徴的な行動を示す。この行動を綺麗に撮影できれば、入賞に一歩近づくだろう。たとえばスローモーションで撮ってみるのはどうか。スマートフォンにもスローモーション撮影機能があるはずだ。チャンスがあれば、挑戦してみたい。
ゼフィルスの仲間の卍巴飛翔
アオスジアゲハ
アオスジアゲハの飛翔の40倍高速度撮影/作者 Phonon.b
空を見上げると、アオスジアゲハが数匹飛んでいた。翅に青く光る筋を持つ、日本で屈指のうつくしい昆虫である。芝公園にこの種の食草であるクスノキが生えているからだろう。東北南部以南に生息しており、多くの場所で観察できるチョウだ。なんといっても、この青い翅が魅力的。ただ飛んでいる姿を撮影するだけで、華々しい動画になる。
比較的めずらしいチョウだが、まったく出会えないわけではない。クスノキがあるかどうかは運によるが、もし出会えたら大チャンスだ。
オオクロアリ
上記の二種のチョウはもしかすると、住んでいる場所によっては生息していないかもしれない。空を見上げてチョウが見当たらないならば、しゃがんでみるといい。
ハナムグリを運んでいる写真
クロオオアリは日本全土で見られる最普通種。見過ごしがちだが、アリの行動は面白い。進化の過程で真社会性を獲得し、ユニークな行動を持つ。女王アリの撮影はむずかしいが、働きアリの行動は比較的撮影しやすいはずだ。
写真は、ハナムグリの仲間を運んでいる働きアリ。彼らを追っていくと意外な生き物を担いでいたりする。餌で動画のバリエーションを作れる点は、このコンテストに向いている点だ。トンボなどの大物を運んでいるような「動画映え」する瞬間に立ち会えるかもしれない。
餌を運ぶ行動だけでなく、辛抱して待てば「口移し」などの行動を撮ることも可能だ。小さすぎて見逃しがちだが、アリは面白い行動の宝庫なのだ。
上記の三種の発見までたった15分。もっと探せば、より多くの昆虫に出会えるだろう。冒頭にも書いたことだが、それは都市部の道路や公園でも可能なのだ。
あなたのすぐ近くにも、おもしろい昆虫がいるに違いない。いや、間違いなくいる。まずはしゃがんで、見上げて、昆虫に目を近づけてみてはどうだろう。
公募情報ライター。短歌がどうしようもなく好きです。好きな食べ物は油そばです。
出典: http://www.hiro-kon.jp/doukon2-boshu.html
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