当てはまった君には穴場! 応募資格限定 地方文芸【東日本編】
有名どころからマイナーなものまで、日本で開催されている文芸賞はさまざま。なかでも、本記事では地方自治体や地方新聞社などが主催している地域限定の文芸賞に注目してみました。今回は第1弾として、北海道、東北、関東1都6県内で行われている賞についてご紹介していきますよ。
地域限定文芸賞は、原則として「県在住者」や「市出身者」など、応募できる人が限定されるのが大きな特徴。応募総数が少ないため、全国規模で行われている文芸賞よりも入賞しやすい傾向にあります。小規模な賞が多いと思われがちですが、かつては文豪が関わっていたり、有名作家が輩出していたりと、長く続いている歴史ある賞も! 年1回開催しているものは、ちょうど今回の募集が終わったばかりというものもありますが、定期開催の公募ですので、募集中でない場合はぜひ次回に向けて頑張ってみてください。
小説家志望の人はいわずもがなですが、物語を書くことが好きな人や初心者の方も腕試しのつもりで挑戦してみましょう。短歌・俳句などを募集している賞もあります。
※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。
1967年から続く、歴史ある文学賞 【北海道】 北海道新聞文学賞
北海道内在住者、または道内に3年以上居住したことのある人を対象にしている文学賞。「創作・評論部門」と「誌部門」があり、同人誌など冊子として発行したものでも応募可能ですよ。桜木紫乃さんなど、北海道に縁のある作家が選考委員を務めています。本賞受賞者のなかには、のちに直木賞や芥川賞作家となった人も!
青森から文学界に新風を吹かせて 【青森県】 東奥文学賞
東奥日報創刊120周年を記念して2008年に創設された文学賞で、青森県内在住者か県出身者が対象となっています。小説ならどんなジャンルの作品でもOK。最終選考委員は、三浦雅士さんと川上未映子さん。隔年開催なので、次回の締切は2024年9月30日。WEBには出ていませんが、東奥日報の社告では第8回の募集が始まっています。詳細は東奥日報をご覧ください。
県内文芸団体に所属している人も応募OK 【秋田県】 「あきたの文芸」作品募集
小説・評論(児童文学を含む)、詩、短歌、俳句、川柳、エッセイ(紀行文を含む)の6部門で募集している文学賞です。応募資格は、秋田県内在住者や出身者、秋田県に勤務(通学)している人など。過去入賞作品集はWEBで見られるので要チェックです。学生以外は投稿料が必要ですので、応募要項をよく読んでチャレンジしてみてくださいね。
かつては井伏鱒二や川端康成が関わっていた文芸誌 【岩手県】 「北の文学」作品募集
岩手日報社の文芸誌「北の文学」に掲載する作品を募る公募がこちら。小説、戯曲、文芸評論の3部門で、応募資格は岩手県内在住・出身または岩手県にゆかりがある人となっています。前回は全部門あわせて27編の応募と少なめだったので狙い目かもしれません。400字詰原稿用紙50枚以内なので、短めの作品が得意な人はぜひ挑戦を!
東日本大震災で、県外へ避難している人も応募できます 【福島県】 福島県文学賞
福島県内在住、または県内の学校・事業所に在籍・勤務する12歳以上を対象とした文学賞。小説・ドラマ、エッセー・ノンフィクション、詩、短歌、俳句と、幅広いジャンルの作品を募集しています。ワープロなど印刷原稿で応募する際は応募書式があるので気をつけて。メールでも応募OKなので、締切が近くなってきても焦らず丁寧な作品づくりを!
文芸
第76回福島県文学賞
令和5年度の第76回福島県文学賞については、次のとおり募集する予定です。
■趣旨
県民から作品を公募して優秀作品を顕彰し、本県文学の振興及び文化の進展を図る。
■第75回作品募集要項との主な変更点
(1)短歌と俳句の部門における応募作品数を、一般の部では50首(句)から30首(句)とし、青少年の部では15首(句)から10首(句)へ変更します。
(2)短歌と俳句の部門においては、従来通り発表済の作品でも応募できますが、未発表作品が望ましいこととします。
2023年07月31日(月) 締切
文学賞・準賞・奨励賞・青少年奨励賞
近年出ていない正賞を目指して 【福島県いわき市】 吉野せい賞
『洟(はな)をたらした神』で知られる福島県いわき市出身の作家、吉野せいの名を冠した賞。小説や童話、戯曲の創作部門、文芸評論部門、ノンフィクション部門、全3部門で作品を募集しています。第46回は、全応募者の3分の1近くを10代が占めていたそう。作家志望のティーンエイジャーはぜひ挑戦してみて。
文芸
第45回吉野せい賞
いわき市小名浜出身の作家「吉野せい」
作家「吉野(よしの)せい」は、明治32年(1899年)に石城郡小名浜町(現在のいわき市小名浜)に生まれ、若い頃から詩人、児童文学者・山村暮鳥(やまむらぼちょう)と交流をもち、雑誌や新聞に作品を投稿していました。
大正10年(1921年)詩人の三野混沌(みのこんとん)と結婚。いわき市好間町の菊竹山で開墾生活を送ります。
結婚後はほとんど作品を書いておらず、昭和45年(1970年)夫・三野混沌の死後、以前から交流のあった、いわき市小川町出身の詩人・草野心平(くさのしんぺい)に作品を書くように勧められたことを機に、再び執筆活動を始めることになりました。
昭和50年(1975年)せい76歳の時『洟(はな)をたらした神』が、第6回大宅壮一ノンフィクション賞と第15回田村俊子賞の2つの文学賞を受賞。さらに、同年10月には教育文化功労者として、いわき市から表彰されました。
しかし、 受賞から2年後の昭和52年(1977年)11月4日、病により78歳で永眠、せいは短い執筆生活を終えました。
この年、『洟をたらした神』が劇団手織座によって演劇化され、せい生誕の地・小名浜で上演、その益金が主催者から市へ寄附されました。市はこれを受けて、昭和53年4月1日に吉野せいの輝かしい文学業績を記念し、「吉野せい賞」を創設。
以来、多くの応募作品が寄せられ、大地の育む瑞々しい文学の芽が毎年生まれ続けています。
≪主な作品≫
洟をたらした神、暮鳥と混沌、道、未墾地に挑んだ女房たち、草の味噌汁、暴風時代の話、ノートより、梨花鎮魂(日記) 他
『 吉野せい作品集』(彌生書房)は、いわき市立図書館で貸し出し可能です。
2022年08月05日(金) 締切
「吉野せい賞」 賞金20万円
下野新聞が新春に向け、年1回募集! 【栃木県】 新春しもつけ文芸
2024年の正月紙面を飾る「新春しもつけ文芸」の作品(短編小説、現代詩、短歌、俳句、川柳)を募集。応募資格については記載がないが、過去の入選者を見るとほぼ全員が栃木県内在住者となっている。
新聞や雑誌に掲載、または刊行物が対象! 【群馬県】 群馬県文学賞
新聞、雑誌などに掲載された作品、または印刷物として刊行した作品がある人にぜひ応募してほしいのがこちら。1年以上群馬県内に在住しているか、群馬県出身者で県内に在勤、在学している人が応募可能です。1年間、こつこつ続けてきたあなたの文学活動の集大成が、本賞でさらに華開くかも!
埼玉県教育委員会が主催している文芸賞 【埼玉県】 埼玉文芸賞
1969年から続く、小説や詩、エッセイなど全7部門で作品を募集している文芸賞。埼玉県内在住、または在勤、在学の15歳以上の人対象です。18歳以下の応募者のために設けられた奨励賞もあるので、部活などで発表した作品を応募するのもいいかもしれません。県外からも応募OKな「埼玉文学賞」とは別なので、ご注意を!
ライター
あみこ
三度の飯よりゲームが好きな公募情報ライター。ソシャゲのスタミナ消費に追われながら、最近公募に目覚めた娘のチャレンジを応援する日々を送っている。