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ネットの海で物語る【第11回】受賞を目指して情報収集 1/2

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受賞を目指して
情報収集

小説の公募に挑戦するとき、私は必ずしていることがあります。
それは、情報収集です。

応募先を決めてから作品作りをするとき、どれだけの情報を持っているかで作品の形は大きく変わるはずです。つまり、それは結果を左右すると言っても過言ではないのです。

なお、今回のお話は書籍化などを前提としたコンテストを想定したものになります。

情報収集その1
「告知・要項ページ」

まずは一番の基本です。募集要項のページは穴が空くほど見るべきです。 小説の文学賞や新人賞の告知ページには、応募するうえでの約束だけでなく、作品作りに向けてのヒントが記されています。
その賞が求めているもの、ジャンル、レーベルのターゲット層……主催側が公式に発信している確実な情報です。これを流し読みするのはいただけません。
今までにない新しい物語、作風が求められている賞。求めている作風はあるものの、そのテイストを取り入れつつ新しさを感じる小説を求めている賞。はっきりとしたレーベルのイメージがあり、そのイメージを壊さないものを求めている賞。様々な募集がありますが、募集要項のページからどのようなものが求められているかを考えるところから勝負は始まっています。

もちろん、締切りや指定された原稿枚数、応募方法などもしっかり確認してくださいね。
どれだけ作品が良いものでも、ルールを守っていないと落選する可能性が高いでしょう。

情報収集その2
「受賞作の講評を見る」

応募する賞が今までにも開催されていたならば、今までの受賞作の内容・講評は必ず目を通しましょう。
全部が無理だとしてもせめて前回、前々回くらいは読むべきです。
これには理由があって、自分が今から応募する作品の内容やアイディアを受賞作から離す目的があります。

例として書いてみます。まず、前回の受賞作が「妖怪と人間が一緒に野球をする」物語だとします。そこに、今年自分が「妖怪(もしくは妖怪に近い怪異や幽霊等)と人間が一緒に野球をする」物語を出すのは危険です。
なぜなら、前回の受賞作はすでに書籍化・もしくは書籍化作業が進行中のはずですから。 わざわざ同じジャンル・アイディアのものを出版社が出すうまみが感じられません。例外もあるかもしれませんが、それは前回の受賞作のクオリティを大きく上回るもの必要が出ていきます。よっぽどの信念・こだわりがなければ、わざわざハードルを高くする必要はないと思うのです。そのような偶然の被りを防ぐためにも、今まで受賞作・結果発表ページは必ず見ることにしています。

もちろん、講評から賞のテイストを知るという目的もあります。
結果発表ページにはその作品が選出された理由や、最終候補で落選してしまった理由だって書かれています。
その当事者でなくても、学べること、得られることがたくさんあるので、ぜひ読んでみてください。

情報収集その3
「主催者(レーベル)の作品を読む」

応募するにあたって、書籍化したときにどんな形になって作品が世に出るのかは確かめておくべきです。
その賞から書籍化されたもの、そのレーベルのヒット作、よく出ているジャンルなど……。
読むことは純粋に作品作りの勉強にもなります。自分がよく想像(というか妄想?)するのは『自分が今書いている作品がこのレーベルの棚に並んだとき、違和感がないものになっているか』というものです。 あまりにも不自然な場合は、別のコンテストに出す方が無難です。

もし、本を読む時間が足りないなら、本のあらすじを見るだけでも違うと思います。 あらすじは本の背表紙に書いていることが多いですし、ネット書店でも確認できます。
作品の最終の形を知ることで理解が深まります。
また、その賞を運営している人たちがどんな作品を推しているのかも、多少は知ることができるはずです。

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■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。

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