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受賞作から学ぼう! 標語・キャッチフレーズ

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標語・キャッチフレーズ公募の基本は、標語とキャッチフレーズの違いを理解することから。どちらも「メッセージを短い言葉で表現する」という共通点はあるが、標語とキャッチフレーズでは少しニュアンスが違ってくる。
広辞苑によると、

 

標語=主義・信条などを簡明に言い表した短い語句、モットー。
キャッチフレーズ=人の注意をひくように工夫した簡潔な宣伝文句。
 

 

とある。簡潔な言葉で表現するのは同じだが、キャッチフレーズのほうが宣伝的な色彩が強いようだ。
標語は「5・7・5」あるいは「5・7・5・7・7」などの五七調。一方のキャッチフレーズは、標語より比較的自由なスタイルといえるだろう。両者ともポイントを簡潔に魅力的な言葉で表現しているかどうかがカギになるだろう。
しかし、これはあくまでも基本。標語募集でも、キャッチフレーズっぽい標語や、反対にキャッチフレーズ募集でも標語っぽい作品が入賞することも多いようだ。
標語やキャッチフレーズの公募は比較的複数回行われているものも多い。今年実施された公募を例に、主催者へのインタビューから入賞のポイントを探っていく。
あなたの一瞬のひらめきや思いつきで賞金や賞品をゲットできるかもしれない標語・キャッチフレーズ公募。ハガキやメールから手軽に応募できる魅力的なジャンル。応募しない手はないのでは!?

主催者に聞く入賞のポイント

第53回品質月間 「品質標語」募集(主催/品質月間委員会(日本科学技術連盟・日本規格協会・日本商工会議所))

入選

  • 後工程はお客様 絆で結ぶ品質改善
  • 品質は 全員参加の  「合言葉」
  • 品質高めて夢づくり 企業の信用 広がる世界
  • 先人の心と技を継承し 再興目指せ 日本品質!
  • たゆまぬ努力と品質で 世界にとどけ 日本の心

主催者から:既存概念にとらわれないオリジナルの視点を持とう

国民の品質に対する意識の高揚を目的に1960年に創設されて以来、毎年11月に行われている全国的な運動が「品質月間」だ。期間中、講演会、討論会等の開催、消費者、学校等へのPRといった行事を行う。標語の募集は、こうした行事の一貫として行われる。
募集では毎年、時勢を反映させたテーマを設ける。第53回は「品質力再興 やっぱり日本品質!」というテーマが掲げられた。
「市場にモノがあふれ、消費者が世界中の多様な製品を手に取ることができる現在、ものづくりの現場は日に日に進むグローバル化に対応する必要がある。今一度、日本製品の品質の良さを伝えたい、日本品質の基本は安全・安心であることを世界にアピールし、その上で感動を提供したいという思いがテーマには込められています。
また、東日本大震災からの復興をイメージさせる力強さも意識しています」(日本科学技術連盟)
審査は「品質月間委員会事務局」と、主に製造業のマネージャーを中心に構成される「品質月間委員会」により、一次選考、二次選考、最終選考の3段階で行われる。第53回の募集には全国から8872点の応募があり一次選考で約半数の4990点に絞られた。
「20文字程度(24文字以内)と文字数制限を明記していても文字数をオーバーしている作品が意外に多かった」とのこと。まずは基本の条件をきちんと理解しよう。
最終選考では二次選考で選ばれた73作品を「品質月間委員会」が協議。5作品が入選に輝いた。
今年で53回目と長年募集を行っていることもあり、作品の中には、過去の入賞作と似ているものや前後を入れ替えただけと思われるものも多かったとか。入選を狙うならオリジナリティは必須だ。
「今回ですと最終選考で『夢づくり』という言葉が選考委員の心に響き、その作品が入選されたようです。今までにない、違う視点が入ると良い作品になると思います」(日本科学技術連盟)

北陸新幹線「富山県」開業キャッチフレーズ募集(主催:富山県)

最優秀賞

  • きてきて富山 きときと富山

優秀賞

  • おいしい富山が近くなる!!
  • きときと直通便
  • 春夏秋冬、とやま日和
  • もう、富山。もっと、富山。
  • 富山が 旬です

主催者から:シンプルかつ的確にテーマを表現しよう

 平成26年度の北陸新幹線(長野・金沢間)の開通に向け、富山県では、〝北陸新幹線「富山県」開業〞を全国へ発信するために開業キャッチフレーズの募集を行った。
「富山県における新幹線の開業効果を最大限に活かすために設置された『新幹線戦略とやま県民会議』の観光・交流戦略プロジェクチームのメンバーを中心にキャッチフレーズ審査委員会を組織しました」(富山県知事政策局)
審査は、まず事務局にて類似作品等の事務的なチェックを行った後、審査委員会委員による審査・協議を経て、受賞作品(最優秀賞1作品、優秀賞5作品、小中学生特別賞10作品、審査員特別賞6作品、チャンス賞5作品)を決定した。
募集には全国から6816点の応募があった。
「全体の約3分の2が富山県内から、残り3分の1が県外からの応募で、沖縄県を除くすべての地域から作品が届きました。男女の比率は2対1で男性の方が多くなっています」(富山県知事政策局)
応募作品の傾向を見てみると、富山弁で「新鮮な」、「活きがいい」という意味を持つ「きときと」を使ったものが多かったという。
「『きときと』や『きっときっと』を含む作品の応募点数は808点で、応募総数の1割強あり、本県のイメージとして『きときと』が深く浸透していることがわかりました」(富山県知事政策局)
こうした中、最優秀作品は、「『きてきて』と『きときと』の組み合わせがシンプルで伝わりやすい、表現の中に新幹線のスピード感も込められており、全国へ呼びかけるのに適切な表現である」という点が高く評価され、受賞に繋がったという。
キャッチフレーズの意義は、簡潔な文章でテーマの特徴を表現し読む人に伝えること。最優秀作品は、キャッチフレーズのお手本ともいうべき作品だろう。

標語・キャッチフレーズ作りの手順をマスターしよう!

STEP1:キーワード出し

募集要項やホームページなどをじっくりと読み、テーマに沿ったキーワードを思いつくままにどんどん書き出してみよう。この段階では、柔軟な発想で、考えられるだけ思いつくまま、多くの切り口でキーワードをみつけていこう。

STEP2:語句の整理

「STEP1」で出たキーワードの語句を整理していく。同じ意味合いの語句はまとめ、上の句、中の句、下の句に適した語句ごとに分類しよう。この整理作業が終わったら語句を選択していく。選択のポイントは、テーマにふさわしくない語句や語呂が悪いもの、ネガティブなイメージを与えるものなどは思い切って捨ててしまうこと。

STEP3:標語・キャッチフレーズ作り

余分なものを削って残ったキーワードで、最終目的である標語・キャッチフレーズ作りをはじめよう! 選び抜いたキーワードをいろいろ組み合わせながら、納得できる作品を作りあげていこう。可能であれば5、6点ほど作って、その中からさらに良いものをチョイスするという方法が理想だ。

過去の受賞作に学ぼう!

平成24年度「情報通信の安心安全な利用のための標語」

個人部門:忘れない ネットの中でも 思いやり
学校部門:ネット社会 いつも相手を 念頭に

第8回 ピンクリボンデザイン大賞 東京都コピー部門

ピンクリボンは、運動ではなく 行動です。

時を守る標語募集

最優秀賞:慣れすぎて 忘れています 貴重な時間
青少年賞:この一秒 この人生で 一度だけ

富津市のキャッチフレーズ募集

あったか ふっつ

平成24年度「男女共同参画週間」のキャッチフレーズ募集

あなたがいる わたしがいる 未来がある

神奈川県立近代美術館 葉山 キャッチフレーズ募集

海に恋した美術館

第13回 日本動物愛護協会 動物愛護キャッチコピーコンクール

我が家へと 誘った出会い 大切に

キャンプの安全標語 募集〜キャンプの安全について考えよう〜

安全なキャンプはみんなが責任者

スター・ウィーク2012 キャッチコピー募集

七日間 心うるおう 星月夜

川口宿 鳩ヶ谷宿 日光御成道まつり キャッチフレーズ募集

人あゆみ 街が息づく 御成道

ちちぶ定住自立圏 キャッチフレーズ募集

ずっと、もっと、ちちぶ。

島根県「県民いきいき活動」を応援するキャッチフレーズ募集

あなたです いきいき島根の サポーター

第65回新聞週間 「新聞週間標語」募集

負けないで 背中を押して くれた記事

 

※本記事は「公募ガイド2012年12月号」の記事を再掲載したものです。