あなたとよむ短歌 vol.53 テーマ詠「動物園・水族館」結果発表 ~公募に応募するときは~(2/3)
それでは、佳作のご紹介です!
私よりひと回り上だから敬意をこめて「ぞうさん」と呼ぶ
(えぺさん)
ゾウの寿命は60~70年。童謡にもなっている「ぞうさん」呼びですが、なるほど、歳上に対する敬意という人もいるかも。
「ユキちゃんは永眠しました」母よりも母の目で獣舎を掃くおじさん
(白波はるよさん)
空っぽの獣舎を掃く飼育員は「おじさん」でありつつも「母よりも母の目」であるという表現。種族や性別をこえた愛情を感じます。
曲がるペン使わないのにほしくなる水族館のお土産売り場
(松本柚羽夏さん)
お土産売り場でしか見かけないあのペン。どう考えても使いづらいのに、たしかに欲しくなります。特別な1日の高揚感ですね。
ふれ合いたい子らとそうでもない仔らがふれ合い広場で今日もふれ合う
(泰源さん)
動物園にある「ふれ合い広場」は大人気。人間の「子」と動物の「仔」という書き分けが効果的です。動物側は、確かに特にふれ合いたくはないのかも。
海を知らぬイルカの子ども 水槽は米津玄師の歌詞に似ている
(molさん)
「水槽は米津玄師の歌詞に似ている」という言いきり。言われてみればそういう気もします。水族館に行きたくもなり、米津玄師を聞きたくもなる一首です。