市原市が誇る銅版画の巨匠、深沢幸雄の生誕100年記念展が開催!知られざる技法の変遷に迫る
千葉県市原市の名誉市民であり、銅版画界の巨匠として知られる深沢幸雄氏。その生誕100年を記念して、市原湖畔美術館で特別展「生誕百年記念 深沢幸雄の生涯と銅版画 ―市原市収蔵作品展―」が開催される。本展では、深沢氏の芸術人生を通じて変化し続けた作風と、彼が開拓した多様な技法の軌跡を辿ることができる。
展示される20点の作品は、深沢氏の創作活動の全貌を物語っている。1955年に制作された「廃墟の貌」は、彼の銅版画家としての出発点を示す貴重な1枚だ。同年の「骨疾E」は原版と共に展示され、制作過程の一端を垣間見ることができる。1957年には日本版画協会賞を受賞した「ウゴリーノ」と「チェルベロ」が、ダンテの「神曲」地獄篇をモチーフに描かれており、深沢氏の文学的素養と想像力の豊かさを感じさせる。
1974年の「影」(メヒコ)Bは、メキシコ滞在中に制作された作品で、異国の風土が深沢氏の感性にどのような影響を与えたかを探る上で興味深い。そして2015年に制作された「鳥たちの会話」は、深沢氏最後の銅版画作品として、長年の技術の集大成を見ることができるだろう。
本展は、令和7年2月4日から16日まで開催される。平日は10時から17時、土曜日と祝前日は9時30分から19時、日曜日と祝日は9時30分から18時まで観覧可能だ。ただし、2月10日(月)は休館となるので注意が必要だ。会場は市原湖畔美術館の多目的ホールで、入場は無料。ただし、美術館の常設展を観覧する場合は別途料金がかかる。
市原市は730点もの美術作品を収蔵しており、その中でも深沢幸雄氏の作品は特別な位置を占めている。今回の展覧会は、銅版画の魅力を再発見する絶好の機会となるだろう。芸術愛好家はもちろん、銅版画に馴染みのない方にとっても、深沢幸雄氏の繊細かつ大胆な表現世界は新鮮な驚きをもたらすに違いない。この機会に、日本が世界に誇る銅版画家の軌跡を辿ってみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000127749.html