水戸芸術館現代美術ギャラリーで、注目の画家・近藤亜樹の個展「我が身をさいて、みた世界は」が2025年2月15日から5月6日まで開催される。本展は近藤の4年ぶり、過去最大規模の個展となり、2022年以降の作品と50点を超える新作が一挙に展示される。

展覧会の目玉は、幅9メートルを超える新作絵画《ザ・オーケストラ》だ。喜びや悲しみ、葛藤や回復の過程を昇華させた躍動感溢れる大作で、人間だけでなく動物や植物、昆虫までもが画面を埋め尽くす。この作品は、音楽家の演奏とともに鑑賞できる特別プログラムも予定されている。

また、近藤が本展に向けて注力したのが「サボテン」をモチーフにした新作シリーズだ。ユニークな形や特徴を持つ大小の「サボテン」は、生命力のシェルターや自己・他者を慈しむ気持ちの象徴として描かれている。展示設計を手がける建築家・青木淳氏や、「いい顔してる植物」をコンセプトに活動する「叢」とのコラボレーションにより、様々な「サボテン」に出会えるインスタレーションが展開される。

近藤亜樹は1987年北海道生まれ。2012年のデビュー以来、ダイナミックな画面構成や自由な発想、見る者の内面を見つめ返すようなポートレイトなど、感受性を掻き立てる作品で注目を集めてきた。本展では、「生きること」と「描くこと」のつながりを、近年の作品から改めて見つめ直す。

展覧会に合わせて、音楽家との共演や「叢」とのワークショップ＆トークなど、多彩な関連プログラムも用意されている。また、会期中には「高校生ウィーク2025」も同時開催。多世代が芸術に触れる機会を提供する。

生命の祝福、他者との共生、災害や戦禍への想い、葛藤とレジリエンスなど、近藤亜樹の作品を通して「生きること」と「描くこと」が切り開く世界に迫る本展。芸術の力を体感できる貴重な機会となりそうだ。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000150724.html