江戸時代の武士が挑んだ革命!生理用品開発物語『月花美人』が第7回ほんま大賞を受賞
江戸時代を舞台に、武士が生理用品開発に挑む異色の時代小説『月花美人』が、第7回ほんま大賞を受賞した。著者の滝沢志郎氏は、この快挙に喜びのコメントを寄せている。
佐賀之書店の店長である本間悠氏が選出する「ほんま大賞」は、全国的に注目を集める文学賞だ。今回、滝沢氏の『月花美人』が長谷川まりる著『呼人は旅をする』とともにW受賞を果たした。
本作は、剣の達人である武士・鞘音が、ある出来事をきっかけに生理用品開発に情熱を注ぐ姿を描いた物語。本間氏は「教科書に載せていただきたい」と絶賛し、作品のテンポの良さや登場人物たちの関係性を高く評価している。
滝沢氏は受賞の喜びを語る中で、1961年に発売されたアンネナプキンが月経に対する社会の見方を変えた「革命」だったことに触れ、「この『革命』を、もっと月経禁忌が強かった時代に試みた人々がいたら?」という想像から本作が生まれたと明かした。
また、男性である自身がこのテーマを扱うことへの迷いがあったことも率直に語っている。「武士の面子や女性への偏見など、時代の価値観と戦う人々を描きたかった」という思いが、執筆の原動力になったという。
興味深いのは、滝沢氏が取材の一環として実際に生理用品を着用し、その体験をSNSで報告したことだ。この投稿が予想外の反響を呼び、本間氏の目にも留まったという。現代にも通じるテーマであることが、多くの読者の心を掴んだ要因の一つだろう。
『月花美人』は、2024年7月の刊行以来、様々なメディアで取り上げられ話題を呼んでいる。KADOKAWAの文芸WEBマガジン「カドブン」noteでは、第一章までの試し読みも実施中だ。
時代小説でありながら、現代社会にも通じるテーマを扱った『月花美人』。その斬新な切り口と丁寧な描写が評価され、今回の受賞につながった。今後、この作品がどのように読者の心に響いていくのか、注目が集まっている。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000016230.000007006.html