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もうすぐ大阪・関西万博! 公募から生まれた万博マスコットたちを調査してみた コスモ星丸・花ずきんちゃん・キッコロ/モリゾー

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国際科学技術博覧会(「つくば博」) 

茨城県・筑波研究学園都市で開催された科学万博。期間は1985年3月17日~9月16日の184日間で、テーマは「人間・居住・環境と科学技術」でした。世界48カ国と37もの国際機関が参加し、2000万人以上の人が足を運びました。

つくば万博のマスコットキャラクターについては、全国の小中学生を対象とした公募によって選出されました。名前は「コスモ星丸(ほしまる)」。最終的なデザインは、当時愛知県に住んでいた中学1年生の女子がUFOをイメージして描いた原案を、和田誠さんが仕上げたものになっています。

一方、「コスモ星丸」という名前は公募で決まったものではなく、アンケートによって委員会が決定したものだそう。つくば博が終わった今も、コスモ星丸はLINEスタンプやグッズなどが展開されており、多くの人に愛されているんですよ。

 

国際花と緑の博覧会(「花の万博」)

「自然と人間との共生」をテーマに、東洋で初めて開催された大国際園芸博覧会です。期間は1990年4月1日から9月30日。大阪府・鶴見緑地で183日間にわたって開催されたこちらの万博には、海外から83カ国、55の国際機関が参加し、2312万人が来場しました。

花の万博のマスコットについてはデザイン・名前ともに、公募で選出されています。明るく親しみやすい作品を募ったデザイン公募については、3歳から90歳まで幅広い年齢層からの案が9603点も集まりました。最終的に選ばれたのは、福岡県在住のイラストレーターの作品。森のなかを飛ぶ花のイメージで描かれた原案を、当時審査委員長を務めた手塚治虫さんが補作し、実際のマスコットデザインとなりました。

デザイン決定後に行われた愛称募集の公募では、海外からも含めて29267点の応募が。実はこの公募、実際に採用された「花ずきんちゃん」という愛称を応募した人が5人もいたそうです。赤いチューリップをかぶっているような印象的なデザインなので、”赤ずきんちゃん”から連想した名前になるのはうなずけるかも。ちなみに、最優秀賞については5人のなかから抽選で選ばれた方に贈呈されたようですよ。

 

日本国際博覧会(「愛・地球博」) 

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彼らの姿が残る公園の名称「愛・地球博記念公園」と
その愛称「モリコロパーク」も公募で決められた。

21世紀初の万博です。開催地は愛知県で、「自然の叡智」をテーマに開催されました。期間は2005年3月25日から9月25日の185日間。121カ国、4国際機関が参加したこちらの万博には、2200万人が来場しました。

愛知万博のマスコットキャラクターは、愛知県瀬戸市にある海上の森に住んでいる森の精。緑を基調とした“おじいちゃん”と“こども”の精のデザインについては、『たまごクラブ』『ひよこクラブ』のたまちゃん&ひよちゃんや、中部国際空港のセントレアフレンズなどで有名なアランジアロンゾが手がけました。

こちらの万博では愛称についてのみ公募が行われ、海外14カ国からも含めて82527点の応募が集まりました。この数は、なんと前述した花の万博の愛称応募の3倍弱! この応募数は、最優秀賞の賞金が各キャラクター15万円(ふたりセットで採用されると30万円)という、ネーミング公募としてはなかなかに高額だったことも背景にあるのかもしれないですね。また、とても女性からの関心が高かったそうで、女性の応募が全体の約7割を占めたという点も興味深い点です。

森と木をイメージしやすく、覚えやすさを重視して選ばれた名前は、「モリゾー」(おじいちゃん)と「キッコロ」(こども)。やはり応募数が多かったからなのか、ふたりの名付け親はどちらも女性で、「モリゾー」は愛知県の金田英子さん、「キッコロ」は茨城県の富永信江さんの案が採用されました。

万博終了後もふたりの人気は衰えることがなく、8年にわたってNHKで番組が放送されるほど長く愛されるキャラクターへと成長したのでした。