芥川賞作家・朝比奈秋の衝撃作『受け手のいない祈り』が単行本化!医療現場の過酷な真実に迫る
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医師としての経験と卓越した想像力で注目を集める作家・朝比奈秋の新作『受け手のいない祈り』が、3月26日に単行本として発売されることが決定した。本作は、朝比奈が第171回芥川賞を受賞した『サンショウウオの四十九日』以前に執筆された作品であり、救命医療の現場で働く医師たちの過酷な現実を鮮烈に描き出している。
『受け手のいない祈り』は、「誰の命も見捨てない」を院是とする大阪近郊の総合病院を舞台に、青年医師・公河(きみかわ)の姿を通して医療現場の実態に迫る。感染症の拡大による医療体制の逼迫、70時間を超える連続勤務、そして命を救った患者たちが日常に戻る一方で、医師たちは過酷な状況から抜け出せないという現実が、リアルに描かれている。
朝比奈秋は1981年京都府生まれの医師兼作家。2021年に「塩の道」でデビューして以来、『植物少女』で三島由紀夫賞、『あなたの燃える左手で』で泉鏡花文学賞と野間文芸新人賞を受賞。そして『サンショウウオの四十九日』で芥川龍之介賞を受賞するなど、短期間で文学界に大きな衝撃を与えている。
本作は、文芸誌に掲載された当初から高い評価を得ており、今期の芥川賞候補の有力作品とも目されていた。今回の単行本化にあたり、大幅な加筆と改稿が行われ、テーマがさらに深められているという。医療現場の真実を描きつつ、命と魂の相克という普遍的なテーマに迫る本作は、現代社会に鋭い問いを投げかける一冊となりそうだ。
『受け手のいない祈り』は四六判ハードカバー、240頁、定価2090円(税込)。医療従事者はもちろん、現代社会の抱える問題に関心のある読者にとって、見逃せない一冊となるだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001914.000047877.html