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文芸公募ニュース 6.13更新 文学賞発表情報

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毎月第2・第4金曜日更新の「文芸公募ニュース」最新版です。

いよいよ梅雨に入りました。日本にはいろいろな雨の言い方があります。
小雨、大雨、走り雨、にわか雨、小ぬか雨、篠突く雨、喜雨、慈雨、涙雨、春雨、氷雨、時雨、夕立、雷雨、五月雨……。
落選続きで干からびた気持ちには、末賞の記念品一つで恵みの雨となるんですけどね。

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文学賞発表情報

第71回江戸川乱歩賞

第71回江戸川乱歩賞には402編の応募があり、有栖川有栖、貫井徳郎、東野圭吾、湊かなえ、横関大の5氏による選考の結果、下記のように受賞者が決まった。
主催:日本推理作家協会

「殺し屋の営業術」野宮のみやゆう

《乱歩賞発表会、行ってました!》
2025年5月26日、東京・池袋にあるTheater Mixaにて行われた江戸川乱歩賞の発表会見に行ってきましたので、ここで「文芸公募ニュース」特別バージョンとして、会見の模様および最近の乱歩賞の動向などを記します。

受賞作は、殺し屋と営業マンのコンゲーム
今回の応募数は402編に上り、1次選考は講談社編集者が行い、55編が通過。2次、3次は7名の書評家が行い、21編を選んだあと、さらに最終候補5編に絞られ、5月22日に行われた最終選考の結果、受賞作が決まった。
選考委員を代表して会見を行った貫井徳郎氏によると、最終候補作5編は秀作ぞろいで差は小さかったものの、「殺し屋の営業術」は抜け出ていたとのこと。選考委員中3人が1位の評価をし、残る2名も2位だった。

「殺し屋の営業術」story
殺人事件の目撃者となってしまった凄腕営業マン、鳥井は犯人の殺し屋に殺されそうになるが、鳥井は持ち前の営業力を発揮させ、「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と殺し屋相手に営業を始める。かくて契約成立。鳥井に課せられた営業ノルマは2週間で2億円。稼がなければ地獄行き。前代未聞の「命がけの営業」が始まる。

貫井徳郎氏も「殺し屋と営業マンのコンゲーム(騙し合い)という設定が面白い」と評価。受賞した野宮有氏は、仕事で凄腕営業マンの話を聞き、それをヒントに着想した。

受賞者の野宮有さん

ライトノベルの世界で揉まれたのがよかった
野宮有さんは、1993年、福岡県出身の32歳。長崎大学経済学部卒。2018年、第25回電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞し、勤めをしながら、ライトノベル作家として活動。また、漫画原作者としても「少年ジャンプ+」で『魔法少女と麻薬戦争』を連載している。
江戸川乱歩賞に応募したきっかけは、ライトノベルの文庫作家ではなく、一般文芸で活躍したいからとのこと。

ライトノベルも一般文芸も小説ということでは同じだが、ライトノベルは娯楽小説であり、一方、一般文芸は文学の領域になる。書店での売り場も違い、作家としてのステイタスも違う。一般文芸の作家は「先生」であり、芥川賞や直木賞の対象にもなり得るが、ライトノベル、ライト文芸、新文芸、ノベルスなどの文庫レーベルは文学賞の対象ですらない。
もちろん、どちらが優れているという話ではないのだが、ライトノベル作家は量産を求められる厳しい世界だけに、一般文芸へと活躍の場を変える作家も少なくない。

一般文芸の作家になる前に、ライトノベルやジュニア小説を書いていた作家には、桐野夏生、米澤穂信、桜庭一樹、角田光代、唯川恵、山本文緒などがいる。いきなり一般文芸の世界に来てもデビューできたかもしれないが、非文芸の世界で揉まれてきたことは本人の才能を大いに磨いただろう。野宮有氏についても同じことが言えるのではないだろうか。

乱歩賞が社会派ミステリーだとはどこにも書かれていない
今回の江戸川乱歩賞受賞作は、野宮有氏のキャリアからしても、ライトノベルの延長にある作風と言ってよい。設定にしても文章にしても、いい意味で軽妙だ。
ところで、江戸川乱歩賞と言えば、社会派ミステリーとして知られる。過去の受賞作で言うと、高野和明『13階段』は死刑制度と刑務所のあり方がテーマとなっており、薬丸岳『天使のナイフ』は未成年ゆえに殺人事件とはならない問題に踏み込んでいる。
ここまで社会問題に切り込まなくても、社会性のある題材を扱わないと乱歩賞は獲れないという印象はあった。しかし、こうした声に対し、2022年あたりから流れが変わってきた。

2020年 佐野広実『私が消える』(軽度認知症になった元刑事は失われた記憶と向き合う)
2021年 伏尾美紀『北緯43度のコールドケース』(博士号を持つ女性刑事が主人公)
2022年 荒木あかね『此の世の果ての殺人』(小惑星が熊本と衝突予想、ハルは教習中)
2023年 三上幸四郎『蒼天の鳥』(実在の作家をモデルにした歴史活劇ミステリー)
2024年 霜月流『遊廓島心中譚』(幕末、二人の女性が遊郭島に潜入するミステリー)


あらすじだけではわからないが、2022年の荒木あかね『此の世の果ての殺人』あたりから作風がライトになっている気がする。
応募要項には「広い意味の推理小説」としかなく、「社会派ミステリー」とも「ライトなミステリー」とも書かれてはいないが、どのジャンルも取っつきやすくなければ読まれないし、売れない。歴史と伝統ある乱歩賞といえども例外ではないのだろう。

第17回角川春樹小説賞

第17回角川春樹小説賞は、2024年11月15日に締め切られ、計395作品の応募がありました。最終選考に残った作品は以下の3作品でした(順不同)。
主催:角川春樹事務所

受賞作
「砂上の王国」坂井のどか(栃木県)
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第2回新潟文学賞

発表が遅れていた第2回新潟文学賞の結果が公表された。
主催:新潟経済新聞社

県知事賞
「平凡な景色」齊藤想
ショートショート・エッセイ部門
大賞
「平凡な景色」齊藤想
佳作
「まわる、まわる、たらい舟はまわる」 阿蒙瞭
「にいがた総踊りの親子」 矢鳴蘭々海
「主語の時間」高遠みかみ
純文学部門
大賞
「スプリング・エフェメラル」ような恵
佳作
「川のゆくえ」若山香帆
ライトノベル部門
大賞
「しゅけん信仰」淡島あわい
佳作
「キャンドルカフェの陽気な人魚たち」紋屋のあん
詳細はこちら!

第40回 「香・大賞」

第40回 「香・大賞」には1930編の応募があり、20点の入賞作品が決定した。
主催:香老舗 松栄堂

金賞
「名医の処方」花園メアリー(大阪府)
銀賞
「海を渡る香り」船方誠五(東京都)
銅賞
「金木犀の夜」矢崎なほ(京都府)
「一度きりの匂い」濱本祐実(兵庫県)
環境大臣賞
「草の香」藤原あずみ(長野県)
日本経済新聞社賞
「その時が来ると信じて」ほそみ。(スロバキア)
松栄堂賞
「かわいい手がかり」高山友理(大阪府)
審査員特別賞
「香りの力」条遠まゆみ(埼玉県)
奨励賞
「祖父の面影」岡石菜央(埼玉県)
※佳作は省略。
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第11回ブックショートアワード

第11回ブックショートアワードでは、ショートフィルムの原案となるストーリー(短編小説、脚本、漫画のいずれか)を、8月から12月まで毎月募集し、毎月受賞者を発表していたが、5期の中から大賞と奨励賞が選ばれた。
主催:ショートショート実行委員会

大賞
『雨恋』(脚本)中西真理
奨励賞
『迷信』(小説)比護歩夢
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第20回「旅と平和」エッセイ大賞

第20回「旅と平和」エッセイ大賞では、残念ながら大賞は該当作なしだった。 佳作は以下のとおり。
主催:ピースボート

大賞
該当作なし
佳作
「思いを共有し、共に生きる 難民支援と私の挑戦」佐藤愛
「春こがれ」坂本梓
「死ぬのをやめて、生きると決めた」安土真理奈
「平和な世界へ ~いま、僕にできること~」巽由一
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