文芸公募ニュース　5.23更新　文芸ニュース拾い読み

2025/05/23

タグ: 小説・シナリオ; 公募ニュース; 文芸公募ニュース

第71回江戸川乱歩賞最終候補作決定

第71回江戸川乱歩賞（日本推理作家協会主催）は402編の応募があり、下記のように最終候補作5編が決まった。

「Vintage Drift」ジョウシャカズヤ
「浚渫船は秘湯に浮かぶ」髙久遠（たかく・とおる）
「殺し屋の営業術」野宮有（のみや・ゆう）
「カーマ・ポリスの執行人」平野尚紀（ひらの・なおき）
「メアリがいた夏」山本エレン（やまもと・えれん）

最終選考の結果は、5月26日に発表となり、会見の模様は、日本推理作家協会公式 YouTube チャンネルでライブ配信を予定している。

第38回山本周五郎賞は新川帆立さん

第38回三島由紀夫賞と山本周五郎賞の選考が行われ、三島由紀夫賞は中西智佐乃「橘の家」に、山本周五郎賞は新川帆立『女の国会』に決まった。

新川帆立さんは、1991年、アメリカ合衆国ダラス生まれ。生後まもなく宮崎県に移住。東京大学法学部卒、同法科大学院修了、元弁護士。
2020年に、『元彼の遺言状』で、第19回『このミステリーがすごい！』大賞を受賞してデビュー。現在は弁護士を辞め、作家生活に専念している。
『女の国会』（幻冬舎）は、国会のマドンナ“お嬢”が遺書を残して自殺し、その死の真相を敵対する野党第一党の“憤慨おばさん”が探るという政治ミステリー。

ブッカー国際賞、バヌ・ムシュタク「Heart Lamp」に

世界的に権威のある英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門「ブッカー国際賞」は、バヌ・ムシュタク（インド）「Heart Lamp」に決まった。
候補作6編は以下のとおりで、この6作を対象に最終選考が行われていた。

「Heart Lamp」バヌ・ムシュタク（インド）
「A Leopard-Skin Hat」Anne Serre（フランス）
「Perfection」Vincenzo Latronico（イタリア）
「大きな鳥にさらわれないよう」川上弘美（日本）
「Small Boat」ヴァンサン・デルクロワ（フランス）
「On the Calculation of Volume I」ソルヴェイ・バッレ（デンマーク）

川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」は惜しくも受賞を逃し、日本作家として初の授賞とはならなかった。
日本作家では、2020年に小川洋子さんの「密やかな結晶」が、2022年には川上未映子さんの「ヘヴン」がそれぞれ最終候補に入っている。

つい先頃、柚木麻子さんの『BUTTER』が「The British Book Awards 2025」Debut Fiction部門を受賞していたので期待も大きかったが、ブッカー国際賞のほうは次回以降に持ち越しとなった。しかし、近年、イギリスでは日本の小説が人気なだけに、次回は受賞を期待したい。

第20回深大寺短編恋愛小説公募、作品集発行