アウトプット編　俳句をもっと楽しく！

俳句の本当の楽しみは、作品が誰かに届き、評価されること。ここでは吟行、句会、投句について紹介する。積極的に参加しよう！

吟行

俳句のタネを外に探しに行こう！

吟行は、句を作るために、景色のよいところなどに出かけていくこと。外に出て、季語と出合い、季節を感じながら、面白い俳句のタネを見つけに行こう。

面白さは人それぞれだが、人とは違った面白さが見つけられたら、じっくり観察し、それを切り取るように言葉にしよう。

句会

句会はゲーム！　楽しさと学びがある

句会では参加者が投句し、全員が選句したのち、披講（読み上げること）され、合評が行われる。

「無記名で選び合うのが句会の面白いところです。５句なら５句提出して、『どの句が選ばれるだろうか』とどきどきします。まさに『プレバト!!』の査定を待っている状態。そういう意味で句会はゲームなんです」（夏井先生）

句会に出ると、参加者中の何人が自分の句を選んでくれたか、数字でわかる。

「俳句では坊主と言いますが、出した句が誰にも選ばれないこともあります。そうなると悔しくて、どうすれば伝わるか考察します。句を作る動機づけにもなります」

また、俳句は座の文芸であり、コミュニケーションの場であることも面白さのひとつ。

「句会に参加すると、誰かに評価されるという俳句の面白さがわかり、どんどん上達していきます」

最近はオンライン句会も盛んに行われている。「オンライン句会」で検索してみよう。

俳句がもっと楽しくなる！　夏井先生のYouTube＆本

夏井先生は、講演や取材のたびによくされる質問を、YouTubeの「夏井いつき俳句チャンネル」で公開している。上記チャンネル名で検索してみよう。また、夏井先生の著書は多数あるが、下記の上二つは初心者向けの指南書で、これから始める人のための入門書。

夏井いつき俳句チャンネル
初心者向けの講座。最初の一歩を踏み出したい人は、この動画を見ながら俳句を作ってみよう！

『夏井いつきの俳句ことはじめ』
（ナツメ社・１３００円＋税）
俳句を始める前に聞きたい40のことを収録。

『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』
（PHP研究所・１４００円＋税）
センス0でも作れる俳句の入門書。

『夏井いつきのおウチde俳句』
（朝日出版社・１６８０円＋税）
家から出なくても俳句は作れる。書き込みドリル付き。

『２０２１年版 夏井いつきの３６５日季語手帖』
（日販アイ・ピー・エス・１５００円＋税）
365日季語を使った俳句を学ぶことができる！

投句

公募や投句募集は作句のきっかけに

俳句を作れたこと自体が大きな喜びとなるが、自己完結で作っているだけだとどうしても飽きがくる。そんなときは俳句賞に挑戦してみると、作句の動機づけになる。

年１回実施されるような俳句の募集（公募）については本誌情報ページでおなじみだが、それ以外にもテレビやラジオ、新聞、雑誌などにも投句募集がある。

また、ＷＥＢ上にも随時投句を受け付けていたり、添削をしてくれるサイトがある。

一人でやっていてドロップしそうなら、モチベーションを上げるためにも投句先を探してみよう。

投句先のいろいろ

テレビ・ラジオ
代表格は、NHKテレビとNHKラジオの投句募集。ローカル局の投句もradikoなら聴取できる。

新聞・雑誌
多くの新聞には俳壇コーナーがある。もちろん、俳句専門誌にもある。学びたい選者へ投句しよう。

W E B
WEB完結で投句を募集している場合と、雑誌などの投句をWEBで受け付けている場合とがある。

その他
企業でも自治体でもメディアでもなく、協会や個人のサイトの中で投句募集がされている場合もある。

選外の句も紹介される仕組みを作った！

夏井先生は南海放送ラジオで「一句一遊」というコーナーを持っている。

「この番組では、月曜日は箸にも棒にもかからない句、火曜日は凡人、水曜日は才能あり、木曜日はお便り、金曜日は優秀句を発表します。一般的に公募では秀作しか発表しませんが、それでは投句する側が続かない。そこで下手な句が紹介され、なぜ下手なのかがわかる仕組みを作りました。ぜひ聴いてみてください」（夏井いつき）

※本記事は2021年3月号に掲載した記事を再掲載したものです。