第55回 高橋源一郎「小説でもどうぞ」 課題「コンテスト」結果と講評


1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。
小説、翻訳、評論など著書多数。日本のポストモダン文学を代表する作家。
■第58回 [ 予感 ]
5/1~5/31(23:59)
■第59回 [ 交換 ]
6/1~6/30(23:59)
コンテスト
面白い作品が多くて、読むのが楽しかったです。そして、意外にも(当然?)「小説コンクール」をテーマにしたものがなかったのだけれど、送ってくれても良かったかも。
「十年後」も良かったが、齊藤想さんの「防犯ポスターコンクール」が僅かの差で最優秀賞。「潤人は一流の泥棒を自負している」で作品は始まる。主人公の「潤人」は、サラリーマンに見えるが、職業は泥棒。帰宅しビールを飲んでいると長男の「剛士」が学校の「防犯ポスターコンクール」に応募するといってポスターを見せてくれた。そこに描かれている泥棒は「潤人」ではないか。なんと「剛士」は父が泥棒であることを知っていたのだ。いやそれどころか、母が詐欺師であることも。そんな息子に父が一言……オチ、いいですね。
阪上伯さんの「十年後」は、「長く続いた十二支のメンバー」の中から、時代遅れ(?)になった「龍」を外し、どんな動物を入れるか、他のメンバーたちが議論をするというお話。そもそも「龍」は実在しないからこの会議にも出席できません。というわけで「猫」からスタートして「熊」「狐」、「鹿」……延々と、一頭ずつ動物たちの名前をあげて、その長所と短所を指摘してゆくのである。いやもう滅法面白いですよ、このアイデア。そして最終結論で「狸」を選抜することに。そこからのオチも最高です。
十六沢藤さんの「優勝者」は、ちょっと変わった小説。夜中に「今回のコンテストの通過者は十四名です」という声が聞こえて、目が覚める。今の声は何? 夢? そもそもなんのコンテスト? すると続いて「夕食にはマヨネーズを」という声が。夜中に聞こえたのと同じ声だ。誰? 何? なんだか気になってマヨネーズを手に取った。「無視するとまずい気がした」から。その夜にまた声。「今回のコンテストの通過者は十名です」。四人減ってる。どんどん声が要求する条件は厳しくなって、そして……いや、結構怖いお話でした。
光月りかさんの「宇宙人コンテスト」、「僕」は「ほんのジョークのつもり」で優勝賞品が「僕のへその緒」という「宇宙人コンテスト」の開催を宣言。すると、どうだ。ほんとうに宇宙人が次々と現れたのだ。慌てる「僕」。しかし、「おじいちゃん」が堂々とした態度で宇宙人を追っ払ってしまう。なんだかすごい。そして「そろそろわしも、星に帰らんといかんな」と一言。変なジョークを言うなあと思うと「おまえ、知らなかったのか? わしが宇宙人だってこと」と。それどころか……そんなオチとは、びっくりです。
昂機さんの「タネも仕掛けもなかったばかりに」の主人公の「俺」は、賞金一千万円の「マジックコンテスト」に出る。まず舞台にテディベアを降らせてみせる。観客は驚嘆する。まるで魔法みたい。「俺」は「にんまり笑う」。なぜなら「俺が披露したのは魔法だ」からだ。あの世界では凡庸な「俺」も、この世界では偉大な手品師だ……と思っていたら、上に上がいた。つまらない手品なのに、審査員がうっとり。わかった! あいつも魔法使いなのだ。結果は優勝がその二人。賞金は分け合うのか……オチが面白かったですね。
菩提蜜多子さんの「女神町レディレッグコンテスト」……って、なんかすごい。「私」は二十歳で、そのコンテストに出た。といっても、いわゆる美人コンテストではなく、「少し前まで『大根脚コンテスト』という身もふたもないタイトル」だった、おおらかな町のコンテストだ。「私」は母と応募し、「私」だけが最終選考に残った。他の四人は強敵揃い。二十歳という若さだけがとりえの「私」は落選、参加賞の「大根」を持ち帰ったのだった。やがて時は流れ、結婚、出産……って、どんなオチかと思ったら、えっ、これ?
唐戸るなさんの「かぐや姫大作戦」は「高校内で一番の人気者、美月」に告白することになった五人の男の子たちのお話。「俺」は、もともと「告白」は「今じゃない」と思っていた。みんな平和に「片思い」していたのだ。だが、そんな「平和」が一瞬で崩れ落ちた。勇太が罰ゲームのくじで「好きな人に告白する」を引いたからだ。罰ゲームは絶対やらなきゃならない。ということは勇太は告白するのだ。じゃあ、というわけで「俺」を含め五人が同時に美月に告白することになったのだ。その結果……オチがちょっとやりすぎかなあ。
草浦ショウさんの「モンスター」は「恵子は激怒した」という文章で始まる。なぜ「激怒」したのか、それは恵子の息子の「裕太」が「ネットで見つけ」て応募した「小学生限定の絵画コンテスト」に落ちたことに始まっている。テーマは「オリジナルの怪獣」。試しに、コンテストのページで「最優秀賞」の作品を見ると「どう見ても明らかに、生成AIによって描かれ」たものだ。「いやいや、おかしいでしょ」。かくして「激怒」した「恵子」はSNSに怒りの投稿。しかしその結果は……オチが少々テーマとずれたのでは。
■第58回 [ 予感 ]
誰でも予感がするときはあるだろう。いい予感。悪い予感。どちらかわからないけどそれでも予感。誰かを見たとき、なにかを見つけたとき、なんでもないのにただ突然に、「予感」はやって来ます。あなたのはどんな?
■第59回 [ 交換 ]なにかとなにかを入れ替えること。知らないうちに、あるいはわざわざと。近くにある、あれとこれ。関係なさそうなものの交換、絶対できないと思っているものの交換……いろいろありそうです。楽しみに待ってます。
■第58回 [ 予感 ]
5/1~5/31(23:59)
■第59回 [ 交換 ]
6/1~6/30(23:59)
本文2000字程度。縦書き。
(テキストデータは横書きでかまいません)
書式は自由ですが、A4判40字×30行を推奨します。
WEB応募に限ります。
応募専用ページにアクセスし、原稿をアップロ―ド。
(ファイル名は「第○回_作品名_作者名」とし、ファイル名に上記以外の記号類、および全角文字、全角記号、全角スペース、機種依存文字は使用不可。_の記号は半角に)
作品の1行目にタイトル、2行目に氏名(ペンネームを使うときはペンネーム)、3行目を空けて4行目から本文をお書きください。
本文以外の字数は規定枚数(字数)にカウントしません。
Wordの方は作品にノンブル(ページ数)をふってください。
応募点数3編以内。作品の返却は不可。
Wordで書かれる方は、40字×30行を推奨します。
ご自分で設定してもかまいませんが、こちらからもフォーマットがダウンロードできます。
作品は未発表オリジナル作品に限ります。
入賞作品の著作権は公募ガイド社に帰属します。
AIを使用して書いた作品はご遠慮ください。
入選作品は趣旨を変えない範囲で加筆修正することがあります。
応募者には公募ガイド社から公募やイベントに関する情報をお知らせすることがあります。
第58回 2026/8/1、Koubo上
第59回 2026/9/1、Koubo上
最優秀賞1編=Amazonギフト券1万円分
佳作7編=記念品
選外佳作=WEB掲載
※最優秀賞が複数あった場合は按分とします。
※発表月の翌月初旬頃に記念品を発送いたします。
配送の遅れ等により時期が前後する場合がございます。
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