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ダーウィン『種の起源』、ノストラダムス師『予言集』も奇書? 世にも奇書な物語

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コラム
世にも奇書な物語
奇書 01
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『種の起源』

チャールズ・ダーウィング
(岩波文庫)

実はいわくつきの書!?

『種の起源』は奇書ではないが、実はダーウィンと同時期にダーウィンとは別に進化論に至った学者がいた。それがアルフレッド・ラッセル・ウォレスだ。

ウォレスは南米やマレー諸島で自然の歴史の研究を続け、自然淘汰説にたどりつく。それで当時、既に『ビーグル号航海記』を出して有名になっていたダーウィンに手紙を書き、進化に関する自分の考えを説明した。

ダーウィンはこれを読んで驚いた。というより焦った。自分と同じ進化論の理論を発表されたら困ると。それで『自然選択による新種の形成について』という論文をダーウィン・ウォレス共著で発表し、1年後、これとは別に『種の起源』を単著で出版するのである。

ウォレスも10年を経て進化論を著すが、話題とはならず、その後、進化に霊的なものが関わっていると提唱して非科学者の烙印を押されてしまう。ダーウィンの進化論のほうが優れていたのは事実だが、いささか脚色して言えば、ウォレスはダーウィンに消されたのだ。
しかし、今では別途、功績が評価され、ウォレスは生物地理学の父と呼ばれている。

奇書 02
予言集.jpg

『予言集』

ミシェル・ノストラダムス師
(岩波書店)

五島勉の解釈が世を惑わす

『予言集』が奇書かどうかはわからないが、五島勉(ごとう・べん)が『ノストラダムスの大予言』として出版し、元ネタの『予言集』は奇書になってしまった。

『予言集』の中でもっとも衝撃的だった詩編は、
「1999年7の月、空から恐怖の大王が来るだろう」

五島氏はこれを人類の滅亡を意味していると解釈し、第3次世界大戦と結びつけた。
これには青少年が反応し、ある女性は人生に絶望し、推理作家の高木彬光に手紙で相談した。高木氏は五島氏の解釈を世を惑わすものとして激怒し、猛烈に反論したが、五島氏はその後も拡大解釈を続け、世間を恐怖に陥れる。
五島氏は大ぼら吹きだったのか、氏が警鐘を鳴らしたおかげで人類は滅亡せずに済んだのか。聞いてみたいが、氏はもう故人だ。
 

 

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