【初心者向け創作講座】童話を書く前に知りたい基本とQ&A|絵本との違いも解説


童話創作の手順とポイント
実際に童話や児童文学を書く際の手順とポイント、童話に関する基本的なことについて解説する。
手順
①アイデア
「あの人の『大変だ』は全然大変じゃないなあ」など日常の中のちょっとした気づきがアイデアやテーマになる。
②ストーリー
読後にアイデアやテーマが自然と浮かぶようなストーリーを考える。童話なので子どもが楽しめる内容にする。
③キャラクター
実際に作品には書かなくても「主人公はこういう性格」と決めておくと行動にブレがなく、主人公を動かしやすい。
④グレード
読者対象を何歳ぐらいにするのか、ざっくりとでも想定する。それにより行動範囲や表現内容が変わってくる。
⑤下調べ
主人公が動物であればその動物の生態や、主人公の職業、設定する舞台について何冊か本やネットで下調べを。
⑥プロット
話の始まり、展開、結末をざっくりとでも考え、話の運び順に書く。あとで変わってもいいが、一応決める。
⑦執筆
書きながらもよりよい展開、結末を考える。その際に新たにアイデアを得ることもあり、そのほうがいい場合も。
⑧推敲
最初に書き上げたら、できれば3日〜1週間寝かし、第三者の目で読み返す。テーマや構成についても推敲する。
※先にキャラクターが浮かぶなど、手順は変わることがあります。
グレード と ジャンル
小学校低学年(幼年童話)
行動範囲は家と学校と近所ぐらい。表現は平易で軟らかく。直感で理解できる話に。
小学校中学年
行動範囲が少し広がり、微妙な人間関係、笑い、ニュアンスなども理解するようになる。扱う時間や構成はなるべくシンプルに。
小学校高学年
行動範囲はさらに広がり、社会と自分ということも考えだす。過去と現在を行き来する構成や謎解き、風刺、諧謔なども理解できる。
中学生
大人向けの小説とは違うが、性描写以外は大人の小説と同じ。童話的な世界観を踏襲した児童小説とYA的な雰囲気の強いものがある。
YA(ヤングアダルト)
若い大人という意味。従来の児童小説より現実の中高生が直面する問題を扱う。エンタメ性はあるが、心の問題を題材にする傾向あり。
童話創作Q & A
絵本と童話の違いは?
絵本は絵を中心とした読み物で、そこに文章がある。童話も絵入りで本になることがあるが、文章が中心(童話として文字だけで書かれたが、絵本として出版されることもある)。公募の場合、絵本の原作や絵本テキスト(テキストとは文章という意味)ではどんなページ立てにするかも考える。
YAと児童文学の違いは?
明確な定義はなく、ボーダレスだが、児童文学と言うと意味が広くなる。講談社「青い鳥文庫」は児童書のレーベルだから児童小説。同じ講談社のYA レーベル「YA !ENTERTAINMENT」と「講談社ラノベ文庫」を比べるとよくわかる。YAは児童書より大人っぽく、ライトノベルになるとエッチ系も。
長編童話を書くには?
童話に限らず、長編の場合はメインプロットのほかにサブプロットが必要。たとえば、メインプロットが仕返しだとしたら、サブプロットは心の問題の克服など。サブプロットは主人公のもう1つの面や、副主人公のプロットだったり。重要なのはサブプロットがメインプロットを支えていること。
童話特有の表現はある?
読者対象の年齢でも理解できる内容、表現であることが基本。読者対象の学年で習う漢字を使いたいが、応募段階では多少難読の漢字があってもOK。ただ、「減価償却」のような説明しにくい言葉は使いたくない。なるべく説明を廃し、人生経験の少ない子どもでも絵が浮かぶような視覚的表現を。
※本記事は2020年4月号に掲載した記事を再掲載したものです。