琉球の伝統デザインを未来へつなぐ「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」
琉球銀行が主催する「りゅうぎん紅型デザインコンテスト」では、全国から琉球紅型のデザインを募集しています。大賞には賞金50万円と副賞としてJTA就航の希望路線の往復航空券が贈られます。締切は2022年7月11日です。
沖縄県の伝統工芸である「紅型(びんがた)」の可能性を探求し、作品を広く紹介することを目的としている本公募。紅型の発展に貢献すべく、古典図柄だけでなく将来の可能性に富んだ作品も募集されます。
紅型が指定されている「伝統工芸品」とは?
伝統工芸品というと、何を思い浮かべるでしょうか? 漆器や陶磁器、和紙、織物。あなたが育ってきた、あるいは過ごしている地域によってイメージする伝統工芸品はさまざまだと思います。日本では、長い間受け継がれてきた技術を用いて、各地で伝統工業が行われています。
国の法律に基づき、経済産業省が指定している伝統的工芸品は230品目以上あります。しかし、この指定を受けるためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。
まず、生活と深く結びつき、日常の生活や行事に使われるものであること。次に、主な部分が手作りでつくられていること。さらに、原材料と技術が100年以上前から受け継がれたものであること。そして、一定の地域で、ある程度の数の人々が製造していることです。
紅型もそうして現代まで受け継がれてきた沖縄県の伝統工芸のひとつ。紅型デザインを考えるにあたって、こうした伝統工芸品の背景を知っておくことはヒントになりそうです。
あなたの紅型デザインが入賞したら?
入賞した作品はどのように使われるのでしょうか? 本コンテストを主催する琉球銀行の通帳デザインとキャッシュカード、カレンダーやメモ帳などの広報物に使われるほか、これまでの受賞作品175点のデザインが県内企業に幅広く活用されています。副賞として航空券が贈られる日本トランスオーシャン航空株式会社では、ヘッドレスカバーに入賞デザインが使われています。若手工芸家を育てたいという主催者の思いにより、入賞デザインはさまざまな場所で活用されています。
伝統技法を踏まえ、創造性のあるデザインを
本公募では、2つの審査基準が示されています。ひとつは、紅型の伝統技法を踏まえた作品であること。もうひとつは、創造性に富んだデザイン構成です。また、伝統を大切にしながら将来まで紅型が継承されるように、2つの応募枠が設けられています。技術とデザインに優れた「一般枠」と、学生かつ20歳以下の方のみ挑戦できる、将来の可能性に富んだ「未来枠」です。ここで、前回の大賞作品と優秀賞作品と、作者のデザイン意図もあわせてご紹介します。
前回一般枠大賞作品
「生命(いのち)のゆりかご」吉濱 愛
“パシャパシャ、ピィーピィー、パチッパチッ”。森の海へ漕ぎ出すと聞こえてくる生命が発する音。マングローブ林に生きるたくさんの生き物はこのオアシスに守られていた。そんな生物多様性を支える貴重で豊かな生態系を守り繋いでいきたいと願いを込めて。
前回未来枠優秀賞作品
「願い」與那嶺 莉来
ここ数年で首里城火災や新型コロナウイルスで自由が奪われるなど、沖縄だけでなく世界中で沢山の悲しい出来事がおこりました。鳳凰には平和や幸福の意味があり、より良い未来になるようにと願いデザインしました。
(出典:「第30回(2021年度)紅型デザインコンテスト」https://www.ryugin.co.jp/corporate/csr/bingata/30_2021/)
生活様式が変わってきたことにともない、昔ながらの行事や文化を引き継ぐことが難しくなっています。このため、伝統工芸品の売れ行きが鈍っているという現実があります。すばらしい文化を未来へつなぐためにも、あなたらしい紅型デザインを考えてみませんか?
いろは
毎日、ワクワクする。そんな公募情報で、みんなの“いつも”を底上げしたいライター。ASD・ADHD・LDの子ども2人と、たくさんの人に支えられながら今日を生きている。
出典:https://www.ryugin.co.jp/corporate/csr/bingata/
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