つくり続ける人たちの理由 VOL.1 公募は人生の中心にあるもの
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公募を始めたのは、高校の図書館に「公募ガイド」が置いてあったのがきっかけです。もともと創作に興味はあったので、「そうか、投稿すれば発信できるんだ!」と思って。最初に応募したエッセイがビギナーズラックで入選して本に収録されたことで、公募心に火が点きましたね。でも大学に入ると楽しいことが多くて、公募から遠ざかってしまいました。楽しいときはあまり創作する気になれなくて、少しつらいときのほうが創作意欲が湧くし、自虐ネタを書けたりもするので、悩むのも悪くないです(笑)。大学院で短歌を学んだのをきっかけに、短歌や川柳など短詩系で応募を再開。就職した頃は短詩を作るのに疲れてちょっと違うものに挑戦してみたくなり、好きだった裁縫などを生かしてアート系にも応募を始めました。
400回入選しているというとすごそうですけど、その分、何倍もの数を応募してるんですよ。公募情報はほとんど「公募ガイド」で得ていますが、行きつけの手芸屋さんのツイッターをフォローしていたら、たまたま公募情報が流れてきたこともあるので、好きなジャンルにアンテナを張っておくことは大切ですね。
普段は関心のある公募を締め切り順にエクセルにまとめて、寝る前に1日1個は応募するぞ!と頑張っています。そうすれば1週間で7つ応募できますし、毎日1つ応募すると安眠もできます(笑)。アート系は時間がかかるので、休日にじっくり取り組んでいます。
作業風景。作業場には、「やってみた」企画の連載で登場したくまのぬいぐるみを飾っている。
公募で取り返すしかない
初応募で入選したエッセイは、テーマが医療系でした。ちょうどその頃、体調を崩していたのですが、自分に身近な題材ほど、書きたいこともどんどん出てくるし、評価もしていただけるようです。短詩系の公募は難しかったけれど、自分だけがわかるのではなく、人が読んでも想像できるものを意識するようになってから、結果がついてくるようになりました。どれに応募するかは、書けそうだなと思ったものから順番に。1時間ほど考えてまとまらないときは、潔く諦めて次へ行きます。公募はたくさんありますし、その悩んでいる時間に別の公募に出せば入選できるかもしれませんから。
一方で、必要に応じて考える時間も大事にしています。「大人も子供も楽しめるリース作品」の募集があったときは、日本地図に47都道府県のご当地物を入れる作品を作って受賞しました。日本地図なら親子で家族旅行気分を味わえるかなと思ったんです。そんなふうにテーマを一度自分の中でしっかり咀嚼して、自分なりの解釈を入れるように心がけています。そして完成像をしっかりイメージする。そうしないと作っていて迷ってしまうんです。
短詩系などはいいと思う作品が5本できたとして、1本しか応募できないときは、たいてい最初か最後の作品を残します。評価もいいです。やっぱり最初にひらめいたものには勢いがあって、2~4本目は中だるみして、最後の1本は、考えるだけ考えつくすことで、思いもよらなかったユニークな発想が出てくるからかもしれません。
結果発表は特に力を入れた作品だけ、発表日にサイトで確認します。時間をかけて作った思い入れのある作品が落ちたときは、2~3日へこみますよ。それでも受賞作を見ると、「ああ、この人の方が私より時間をかけて作っているな」とか、「主催者さんが求めていたものと少し違ったのかな」と納得できることもあって、失敗だけでは終わらせないぞと、次の公募に生かすようにしています。……と言っても、つらくて受賞作を見られないことも多いんですけどね(笑)。でも公募での落ち込みは公募で取り返すしかないので、また次の公募に取りかかります。そうすると、作っているうちに気持ちも前向きになっていくんです!
自分なりの目標を作ることもモチベーションを上げるのに役立ちます。私は「全都道府県の公募に入選する」というのが目標で、現在あと4県まで来ているので、今年中に達成したいなと自分を盛り上げています。
「やってみた」企画でも取り上げた「こっぱっぱ大賞2021」(主催:cosine)で、こっぱっぱすごいで賞(コサインスタッフ賞)に選ばれた作品。左側に写っている手書きの手紙は、賞品と一緒に贈られたもの。
公募を続ける理由
前の仕事を退職した後、今度はもともと好きだった文章を書く仕事をしたいなと思いました。ちょうどそのとき、「公募ガイドONLINE」に「ライター募集」と出ていたので、応募したら仕事につながりました。今は公募の楽しさをできるだけ多くの人に伝えたいと思って活動しています。
公募は作品を評価していただけることで自分に自信も持てますし、入賞作品が商品化されたりしていろんな方のお役に立てるのも嬉しいことです。最近大賞をいただいた「世界を変えるキャッチコピー」は、巻物になって800年も保管されるそうです。レジンでブローチを作ったときは、NHKで出演者の方に作り方をレクチャーしました。そんな体験は、普通の生活ではなかなかできないですよね。
今はライターとして好きな文章の仕事ができていますが、それでも公募を続けているのは、やはり公募ライターとして、創作をする感覚を失いたくないからです。自らも公募に挑戦し続けることで、これからも応募者の気持ちや目線で記事を書いていきたいです。
大学受験では受賞歴がプラスになりましたし、今は仕事にもつながって、私の節目節目に公募があった気がします。公募で生活のリズムができていますし、私にとって公募は趣味であり、仕事でもあり、人生の中心にあるものですね。
「年賀スタンプコンテスト2022<寅年>」(主催:こどものかお)で採用され、商品化された寅年のスタンプ。記念に今年の年賀状に使ったそう。
フリーライター。著名人インタビューやTVコラム、街歩きの記事などを執筆。著書に『風景印ミュージアム』ほか。
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ビギナーさんも、熟練者さんも大歓迎。
自薦他薦は問いません!
編集部が取材をさせていただきますので、今まで創作に励んできた経験や、創作を続ける理由、創作エピソードなど、創作への「熱意」をお聞かせください。
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