企画展 「日本の万国博覧会 1970-2005 第2部 EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」
文化庁国立近現代建築資料館では、2025年6月14日より企画展「日本の万国博覧会 1970-2005 第2部 EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」を開催いたします。

公式ウェブサイト https://nama.bunka.go.jp
[展覧会名]
日本の万国博覧会1970-2005 第2部 EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ
[概要]
万国博覧会(国際博覧会、エクスポ、ともいう)は、元々は、19世紀に各国の優れた物品を集めて展示する展覧会として始まり、現在では、国際博覧会条約(BIE条約、1928年成立)に基づいて行われる複数の国が参加する博覧会を指します。その内容も、展示に限らず、イベント、アミューズメント含めて多様化してきました。
万国博覧会の建築は、展示品の器の役割を果たすためのものですが、近代建築の発展に大きな貢献をもたらしました。世界初の万国博覧会は、1851年にロンドンで開催され、その展示館クリスタル・パレス(水晶宮)は、鉄骨造の外壁全体をガラスで覆ったデザインであり、鉄とガラスの時代の到来を告げました。また、1889年パリ万国博覧会に際して、会場のゲートおよび展望台として建設されたエッフェル塔は、当時最先端の鉄骨造建築であり、今日でもパリのランドマークとして機能しています。万国博覧会が、国の威信をかけた催事であると同時に、短期間のみ使用される建築であることが、様々な建築的な挑戦を促し、その結果、万博建築は近代建築の進化に貢献することになったのです。
日本国内では、これまで日本万国博覧会(大阪万博、EXPO'70、1970年)、沖縄国際海洋博覧会(1975年)、つくば国際科学技術博覧会(1985年)、国際花と緑の博覧会(1990年)、日本国際博覧会 愛・地球博(2005年)の5回の万国博覧会が開催されており、大阪・関西万博[2025年4月13日(日) - 10月13日(月) 184日間開催]がそれに続き、6回目ということになります。
本展覧会は、当館が所蔵する図面や企画段階の資料を中心とした展示を通じて、来館者の皆様に、これまでの5回の万国博覧会の会場計画と施設デザインに関する理解を深めていただくことを目的とします。
本展覧会を通じて、万国博覧会が果たした建築史上の役割の一端を理解していただきつつ、日本の万国博覧会の変遷および博覧会建築ならではの建築デザイン上の創意工夫を鑑賞いただけることを願っております。
基本情報
[主催] 文化庁
[企画] 文化庁国立近現代建築資料館
[協力] 公益財団法人 東京都公園協会
[会場] 文化庁国立近現代建築資料館
(〒113-8553 東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
[会期] 2025年6月14日(土)~8月31日(日)
休館日:毎週月曜日 但し、祝日の月曜日は開館し翌平日[克小1] 休館。
(7月21日、8月11日開館、7月22日、8月12日休館)
[時間] 10:00-16:30
[入館方法]
●展覧会のみ観覧の場合(平日のみ)
湯島地方合同庁舎正門より入館。無料。都立旧岩崎邸には入場できません。
●旧岩崎邸庭園と同時観覧の場合(土日祝、及び平日)
都立岩崎邸庭園より入館。有料。旧岩崎邸庭園入園料(一般400円ほか)が必要。
「日本の万国博覧会 1970-2005 第2部 EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」
2025年6月14日(土)~8月31日(日)展示内容
第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」では、第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」で展示した日本万国博覧会(大阪万博)の一部を残し、主にEXPO'75からEXPO2005に関する所蔵資料を公開します。EXPO'70の技術を前面に出した総合テーマから、人間の居住、海や山などの自然、さらに地球の環境への配慮へと総合テーマが変化し、それに伴って、博覧会の会場計画の手法や建築デザインも変化を遂げる様子を展示します。
Section 1. 日本万国博覧会
主な展示:丹下健三「基幹施設計画 大屋根・お祭り広場」、菊竹清訓「エキスポタワー」、菊竹清訓「南広場」、大高正人「メインゲート」、前川國男「自動車館」、前川國男「鉄鋼館」、坂倉準三 「電力館」、 村田豊「電力館水上劇場」、 村田豊「富士グループパビリオン」、大谷幸夫「住友童話館」
Section 2. 沖縄国際海洋博覧会
主な展示:木村俊彦「水族館構造設計資料」、菊竹清訓 「アクアポリス」、村田豊「芙蓉グループパビリオン」

菊竹清訓|沖縄国際海洋博覧会 アクアポリス スケッチ|1973年

村田豊|沖縄国際海洋博覧会 芙蓉グループパビリオン 計画案 断面図|1974年
Section 3. 国際科学技術博覧会(つくば科学万博)
主な展示:川添登「会場計画資料」、大高正人「Fブロック 外国館、エキスポホール」、菊竹清訓 「Bブロック 外国館」、高橋てい一+第一工房「迎賓館」(「てい」は、「青」編に「光」)

大高正人|国際科学技術万博会 Fブロック全体アクソノメトリック図|1985年

高橋てい一+第一工房|国際科学技術博覧会協会本部別館 展開詳細図|1985年
Section 4. 国際花と緑の博覧会
主な展示:建築・都市ワークショップ旧蔵 国際花と緑の博覧会関連資料
マクドナルド&ソルター、アーキテクテュルビュロー・ボレス=ウィルソン、ザハ・ハディッド、鈴木了二、クック&ホーリー、コープ・ヒンメルブラウ、マルチネス・ラペーニャ&トーレスアーキテクツ、モーフォシス、ダニエル・リベスキンド、アンドレア・ブランツィ、ジガンテス・ゼンゲリス、八束はじめによる13のフォリー

建築・都市ワークショップ旧蔵 国際花と緑の博覧会 関連資料
Section 5. 2005年日本国際博覧会(愛・地球博)
主な展示:菊竹清訓 「グローバル・ループ」、高橋てい一+第一工房「瀬戸愛知県館」
※「てい」は、「青」編に「光」

高橋てい一+第一工房|愛・地球博 瀬戸会場愛知県館 構造概要図|2003年
広報用素材

キービジュアル

会場風景写真

チラシ(表)

チラシ(裏)
関連情報
※詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。
1)第2回 館内シンポジウム「知られざる試みと隠れた意義-EXPO’75以降の万博会場デザインについて」の開催
EXPO’75以降の万博会場計画では、様々な試みがなされましたが、今日では、多くのことが忘れ去られつつあります。著名建築家たちによって作成されたつくば科学万博の知られざるマスタープラン。花博において、プロデューサー磯崎新が選んだリベスキンド、ザハ・ハディッドらの世界の若手建築家による13のフォリー(あずまや)の役割。環境との共生・調和が追及された愛知万博の位置づけ。本シンポジウムでは、これらの試みや挑戦に焦点を当て、その意義を再考します。
日 時 :2025年6月28日(土) 14時~15時30分
場 所 :文化庁国立近現代建築資料館 展示室前ロビー ※座席30席、予約不要
パネラー:宇野求、鈴木明、小林克弘
「幻のマスタープラン群 つくば科学万博」
小林克弘(当館主任建築資料調査官・東京都立大学名誉教授)
「Osaka Follies/大阪フォリーは役立たず建築だったのか? 花と緑の博覧会1990年」
鈴木明(近現代建築論、工学博士)
「EXPOにみる建築のTURNING POINT―between analogue - digital」
宇野求(建築家、工学博士)
2)第1回 館内シンポジウム「EXPO’70(大阪万博)を回想し、再考する」の再上映
2025年3月23日に開催した館内シンポジウム「EXPO’70(大阪万博)を回想し、再考する」のリピート上映を行ないます。
日 時 :2025年6月28日(土) 11時~12時(予定)
※時間は変更になる場合があります。座席20席、予約不要
パネラー:田路貴浩、前田尚武、小林克弘
「大阪万博の会場計画」 田路貴浩(京都大学大学院工学研究科建築学専攻 教授)
「お祭り広場のデザイン」前田尚武(京都美術工芸大学 特任教授)
「世界の万博建築の系譜」小林克弘(当館主任建築資料調査官・東京都立大学名誉教授)
3)ガイドツアーの開催
当館職員によるガイドツアーを開催します。
日時:7月3日、17日、31日、8月21日(木)14:00-
※予約不要
4)YouTube「文化庁bunkachannel」に、4本のオーラルヒストリーを公開
当館では、建築家に関わるオーラルヒストリーを記録する活動も行なっています。万博建築の設計に関して、構造家・木村俊彦、建築家・村田豊の万国博覧会の仕事に関する未公開記録を編集し
YouTube「文化庁bunkachannel」の再生リスト「国立近現代建築資料館」に公開します。
※6月半ばを予定
「オーラルヒストリー 木村俊彦 -住友童話館 構造設計について-」
「オーラルヒストリー 村田豊-富士グループパビリオンについて-」
「オーラルヒストリー 村田豊-電力館水上劇場について-」
「オーラルヒストリー 村田豊-芙蓉グループパビリオンについて-」
本件に関する問合せ
文化庁国立近現代建築資料館 (企画担当:小林、王、川瀬)
e-mail nama@mext.go.jp / Tel. 03-3812-3401
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