噛んで飲み込む時間
読書感想文は、こどもの定番公募ですよね!
我が家にも夏休み前、小学校から全国読書感想文コンクールのお知らせが来ました。
宿題ではなく、やるもやらぬも本人次第ですが娘は「やる!」とのこと。
しかし、選んだ本は70ページ弱で、文字数は800字程度という規定があり、正直なところ文字を習いたての我が子に書けるのか?と思いました。
原稿用紙に指定はなかったので、せめて大きめのマスのものを購入していざ挑戦。
こどもは一気に読むと疲れるようで、午前と午後に分けて一緒に読み進めました。
そして読み切った後「どう思った?」と聞くと、いまいち感想が出てこない。
内容も難しく宿題でもないので書けなくてもいいか、と思っていたのですが一週間ほどたったある日、急に「書く」と娘が言い出したのです。
しかし、初めての読書感想文に娘は出だしから迷っている様子。
助言はしたいものの、大人が口を挟んではせっかくのこどもの感性を台無しにしてしまうので、質問を4つだけしてみました。
「どうしてこの本を選んだのか」「題名を聞いてどんな話だと思っていたか」「読んでみたらどんな話だったか」「一番こころに残った場面の理由」です。
こうすると、「動機」「想像」「あらすじ」「感想」の構成ができ、読書感想文らしくなるかなと思ったのです。
慣れてきたら自分なりの書き方を見つけていくでしょうが、初めてのことだったのでおしゃべりをしたり相槌を打ちながら、親子で楽しくやりました。
そして、難しいと思っていた800字一気に書き終えたときには感動!
入賞云々より、「書けた!」という事実が心底嬉しいことでした。
文章を最後まで書ききるということは、こどもにとっても自信につながるようです。
今思えば、感想を書くまでの一週間は必要な咀嚼時間だったのでしょう。
常に考えているわけではなくても、頭の隅で「あれはどういうことだったのだろう」と考えを巡らせて自分なりの答えのようなものを出す。
こどもは特に時間を要するかもしれませんが、それは大人にも必要な時間かもしれません。
今後私が公募に取り組むうえで、テーマを見てすぐ書いて出すという癖を少し見直すと、何か違うものが書けるかもしれないなと感じた出来事でした。