てら(地球)とそら(宇宙)
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てら(地球)と
そら(宇宙)
はんどうあきお
てらとそらはふたごです。
うまれてすぐに、ぐあいがわるくなったてらは、地球へとはこばれました。
そして、二十年のつきひがながれました。
うまれてすぐに、はなればなれになったふたりは、おたがいにあいたいとおもいました。
しかし、地球上ではいつも、ふんそうがおきていました、地球上のあちらこちらで、くにとくにがたたかっていたのです。
りゆうはいろいろでした。
はだのいろ、しゅうきょう、とちのひろさ、ちかしげん、けいざいなどさまざまでした。
だから、そらは、てらのいる地球にはいけなかったのです。
あるとき、てらはおもいました。
「そうだ、そらがぼくのいる地球にこれないのなら、ぼくがそらのところにいこう、そらのいる宇宙ステーションへ」
ついにそのときがきました。
そらとてらのふたごのさいかいである、といってもうまれてすぐにはなればなれになったのだから、こんかいがしょたいめんかもしれない。
ふたりは、おたがいのかおをみつめた。
「そっくりだね」
どうじにふたりがしゃべったので、まわりのひとはびっくりしたが、ふたりはおどろかなかった。なぜならふたりはふたごだから。
てらは、おどろきました。
なにをみておどろいたのでしょうか?
てらのすんでいる地球をみたときでした。
「きれいだ、あおい地球、あおあおとして生きているみたいだ」
ぼうえんきょうをのぞいて、さらにおどろいた。
「こっきょうせんがない」
地球上では、くにとくにがこっきょうせんであらそっていた。
うみのうえできょうかいせんをはみだしたとか、ちかしげんはうちのくにのものだとか、このしまはうちのだとか、りょうくうをしんぱんしたとか、いつもあらそっていた。
でも、てらがみた地球にはこっきょうせんがみえなかったのです。
そう、もともとこっきょうせんなんかないのです、にんげんがかってにひいて、かってにりょうどにして、かってにあらそっていたのです。
ずっと地球にすんでいたてらは、こっきょうせんのない地球にかんどうしていました。
ずっと宇宙ステーションにすんでいたそらには、てらのきもちがわかりませんでした。
なぜ、地球上であらそいがあるのか。
てらのすんでいる宇宙ステーションには、地球上のあらゆるくにのひとびとがすんでいます。
もちろん、くにとくにのあらそいはないし、みんなきょうりょくしていきています。
てらとそらのわかれるひがやってきました。
てらはそらにちかいました。
「ぼくは、地球上のあらそいをなくす、そしてこの宇宙ステーションのようにくにとくにがあらそいをせず、きょうりょくしてへいわにくらすようにする」
そらもてらにちかいました。
「ぼくもこの宇宙ステーションで、このままかわりなくへいわにくらせるようにどりょくする」
そして、二十年のつきひがながれました。
てらは、地球連邦の初代大統領にえらばれ、
そして、副大統領にはそらがえらばれました。