「文学フリマに出たものの全然売れなかった!」 在庫を減らすために今できること4選 【同人誌/ZINEをWEBで売ろう】


文学フリマ東京40へのご参加おつかれさまでした。ひとまず目標としていたイベントが終わってほっと一息ついたら、じわじわと気になってくるのが、イベントで売れ残った本がつめられた段ボール箱。思ったより売れなかったショックや、保管のために場所をとることなどから、「廃品回収で捨ててスッキリしよう!」と思ってしまいがちですが、ちょっと待って! WEBなどを活用すれば、あなたが心血を注いでつくった本を、まだまだ誰かに手に取ってもらえるチャンスがあるかもしれません。
そこで本記事では、今日からすぐにでもできちゃう、在庫を1冊でも減らすために試してみてほしいこと4つをまとめてみました。
個人でできる通販サービスを活用する
最初にご紹介したいのは、書店に委託する形ではなく、個人でネット通販を行えるサービスの活用です。なかでも最も多くのクリエイターが使用しているのが「BOOTH」というサイト。pixivに会員登録(無料)さえすれば、今すぐにでもネットであなたの作品を販売できちゃうんです!

月額使用料はなし
ドメインを取得して、作品の書影や内容を登録するだけでオンラインショップのページが作れるBOOTH。多くのフリマアプリと同じように、売りたいものを登録するだけなら、費用は一切かかりません。ちなみに1冊売れるごとに本の代金×5.6%+22円のサービス使用料が差し引かれます。
匿名発送が可能(自宅から送る場合)
「自宅の住所が読者にバレるのが嫌だ」という人は、ヤマト運輸と連携した匿名配送サービス「あんしんBOOTHパック」が利用可能です。同人誌を送付する際にもっとも使われる「ネコポス」(角形A4サイズ、厚さ3cm、重さ1kg以内)を使用する場合、送料は全国一律370円(税込・購入者負担)。同じサイズの郵便料金よりかは少しお高めにはなるのですが、補償付きなので買う側にとっても安心して購入できる発送方法なんです。
発送代行オプションあり
本を梱包したり、コンビニなどへ行って発送したりするのが面倒な人には「倉庫サービス」もおすすめ。売りたい本を指定の住所に送ると、発送作業をすべてBOOTHに一任することが可能です。ただ、こちらのサービスについては販売率が 20%以下の場合は、1カ月ごとに1000円の保管料を支払う必要がありますのでご注意を。
また、在庫がなくなった本のデータをPDFなどにして、ダウンロードコンテンツとして販売することも可能。さらに、音楽CDやゲーム、グッズなど、同人誌以外の商品も販売することができますので、ご自身の創作活動に合わせたショップづくりができるところも魅力的ですよ。
オンラインイベントに参加してみる
2つめは、オンライン上で開催されている即売会への参加です。「ネット通販と何が違うの?」と思う人もいるかもしれませんが、ネット通販と大きく違うのは“即売会を模した仮想空間”がある点。イベント参加者が各自で設定したアバターを操作して、各サークルの店舗を渡り歩ける仕様になっており、ロールプレイングゲーム感覚で楽しむことができます。
サービスは主に2つ
現在、主にオンラインイベントの開催に使用されているサービスは以下の2つです。
・pictSQUARE(ピクトスクエア)

2020年、コロナウィルスの拡大を避けながら即売会を開催するために生まれたサービスです。会員登録は無料で、サークル参加する場合のシステム利用料は550円~。BOOTHや書店を経由しなくても、イベント内で本などを販売できるシステム「pictSPACE(ピクトスペース)」があります。
・ピクリエ

2023年から開始した、比較的新しいサービスです。会員登録は無料で、サークル参加する場合のシステム利用料は330円~。ピクリエには独自の通販サービスはないので、BOOTHなど外部のサービスと連携して通販する必要があります。
まずはイベント検索からスタート
どちらの場合も気になるイベントを探すところからはじめましょう。“イベントを探す”という検索ボックスがありますので、そちらに“一次創作”というキーワードを打ち込んで、あなたが参加できそうなイベントを探します。「オールジャンルOK。なんでもこい!」というような懐の広いイベントから、テーマを細かく設定したこだわりのイベントまで、時期によってはいろいろなイベントがヒットすると思いますので、気になるものをひとつずつチェックしていきましょう。ピクトスクエア、ピクリエそれぞれで開催しているイベントが違いますので、まずは参加してみたいイベントがあるサービスを利用してみるとよいでしょう。
オンラインイベントの良い点は?
PCやスマホなどでどこからでも参加可能な上、サークル参加費も一般的な即売会と比べるとかなり安く、気軽に参加できるのが利点です。また、リアルな即売会ではスルーされてしまいがちなおしながきや試し読みなどの展示も、WEB上だと人の目や時間を気にしなくてもよいため、参加者にじっくりとみてもらえるのがオンラインイベントの良いところでしょう。
一方、オンライン上のイベントは個人が主催しているものが多いため、文学フリマと比べるとかなり小規模。SNSなどでしっかり参加表明と作品の宣伝してから挑むほうがよいでしょう。気になるけれど、どんなものかがイマイチわからないという人は、一度何かのオンラインイベントに一般参加してから、サークル参加するかどうかを決めてみてはいかがでしょうか。