公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

【11月号特集 連動企画】「昔話をミステリータッチにリメイク!」コンテスト結果発表

タグ
作文・エッセイ
投稿する
応募要項【ヒント!】謎の作り方

公募ガイド11月号の特集連動企画「昔話をミステリータッチにリメイク!」コンテストに多数ご応募いただき、誠にありがとうございました。

11月6日に選考会が行われ、以下のように入選者が決定しました。

【総評】

有名な昔話をミステリータッチにリメイクする本コンテストには、さまざまな謎が提示され、審査は難航しましたが、楽しく審査することができました。

ツイッターで応募するということで、どんな謎かは明らかにしなくてもいいという規定でした。

結果、「きっとこんな事件があったのではないか」と、読み手の想像をかき立てる面白い作品が集まりました。

本コンテストを通じ、ミステリータッチにするコツがわかったと思います。

今度はオリジナル作品にこの手法を応用し、面白い小説に仕上げてください!

(公募ガイド編集部)

 

最優秀賞

unuiさん(元ネタ:浦島太郎)

子どもたちは亀をいじめていたのではなく、追及していたのですね。浦島太郎はそんなことは知らず、亀がいじめられていたと勘違いしてしまったようです。

〈亀は青年に見えないようにニヤリと笑った。〉という一文がいいですね。

で、亀は村のお父さんを連れ去り、どこへやったのでしょうかね。

もしかすると、乙姫さまに贈る生贄だったのかもしれません。

となると、浦島太郎も……。ちょっと怖いですね。

 

 

優秀賞

ヨシダケイさん(元ネタ:かちかち山)

原作では、悪賢いたぬきがおばあさんをだまし、「たぬき汁」ならぬ、「おばあさん汁」にして食べてしまうのですが、実際には真犯人は誰なのでしょうか。

ウサギは愚鈍なタヌキにはそんなことはできないし、「タヌキがおばあさんを殺すのを見た」というのは、おじいさんの証言に過ぎないと推理します。

となると、真犯人はおじいさん! 動機は金銭? 怨恨? いずれにしても、おばあさんに対し、殺したいほどの気持ちがあったことがわかります。

 

CREATAROさん(元ネタ:桃太郎)

桃太郎を拾ってきた時点で、すでにおじいさん、おばあさんだったのに、桃太郎が成人し、鬼退治ができるような年になっても、おじいさんもおばあさんも年をとっていない!

それはなぜでしょう。「人間じゃないからだ」。ここがポイントですね。

では、なんのために桃太郎を育て、なんのために鬼退治をさせたのか。おじいさんとおばあさんが善にしろ悪にしろ、そこには大きな企みがあっただろうと推測できますね。

 

 

佳作

むーむーさん(元ネタ:赤ずきん)

悪いオオカミが罰を受けて殺されたのではなく、もともと村には「狼撲滅作戦」というキャンペーンがあったのですね。どうりで、赤ずきんちゃんが簡単にだまされるはずです。いくら変装したとはいえ、おばあさんに化けるなんて無理がありますからね。

 

NOSYさん(元ネタ:鶴の恩返し)

「覗くな」と言われれば覗きたくなります。ふいに覗かれたとはいえ、簡単に正体を明かしてしまうのも、おかしいと言えばおかしい。鶴が去った部屋には何があったのでしょうか。布を織っていたというのはカモフラージュで、実は何か企んでいたのかもしれませんね。

 

森彗子☆小説家さん(元ネタ:マッチ売りの少女)

マッチ売りの少女は死んでしまったのではなく、殺されてしまったのでしょうか。だとしたら、なぜ死に顔が明るかったのでしょう。生から解放されて安堵したのでしょうか。散乱していたマッチは、人生最後のむだ遣いだったのでしょうか。いろいろ想像してしまいます。

 

kamさん(元ネタ:シンデレラ姫)

シンデレラの正体は大臣だった? 大臣はゲイで、ずっと王子を狙っていたのかもしれませんね。でも、「ふざけて靴を履いてみると」とありますので、大臣自身も知らないうちに魔法でシンデレラにされていたのかもしれません。となると、黒幕がいそうですね。

 

いありきうらかさん(元ネタ:かぐや姫)

かぐや姫は任務を終えて月に帰ったのですね。それはどんな任務だったのでしょうか。美しい女性は手に入らないということを忠告しに来たのか、貴公子にはダメンズが多いことを暴きたかったのか、はたまた単にお宝を月に持ち帰ろうとしたのか。妄想が広がります。

募集内容

公募ガイド11月号(10/9発売)特集「あなたの小説に足りないのは謎だ!」の連動企画として、「昔話をミステリータッチにリメイク!」コンテストを実施します。

謎があると、あなたの小説はもっと面白くなります。

では、どうしたら謎を作れるでしょうか。

方法は簡単です。物語の結果を最初に示すだけ。そうすれば、「どうしてそんなことになったんだろう」という謎が生まれます。

今回は、物語の中に謎を作る練習として、昔話などの物語をミステリータッチにリメイクしていただきたいと思います。

誰でも簡単に謎物語が作れます。

さあ、チャレンジしてみましょう。

【例】

ある日、浦島太郎は白髪の老人になっていた。その三日前、浦島太郎は亀を助けた。それでお礼に竜宮城に連れていってもらえることになったが、亀は行かないほうがいいと言う。「あの女は、乙姫は、恐ろしい女……」。わけがわからないまま竜宮城に着くと、そこには贅沢すぎる絶世の美女が! しかし、それが罠だった!」

最初に「謎」を作り、どんな謎だったのかなあと想像させてください。

結末まで書かなくてOKです。

また、物語全部でなく、ある場面だけでもOKです。

お題 「桃太郎」「浦島太郎」「一寸法師」など、おなじみの昔話をミステリータッチにリメイクして、ツイッターで投稿してください。
応募規定 (1)Twitter公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローしてください。

(2)ハッシュタグ「#謎を作る」「#公募ガイド11月号」をつけて、作品をツイートしてください。

応募上のご注意 採用された方にはダイレクトメッセージでお名前やご住所等を確認させていただきます(誌面には県名・ペンネーム・年齢のみ掲載)。数日経ってもご返信がない場合は、採用を辞退したものとさせていただきます。
最優秀賞1点=Amazonギフト券5,000円分

優秀賞2点=Amazonギフト券2,000円分

佳作5点=Amazonギフト券500円分

締切 2019年10月25日(金)
発表 11月上旬

公募ガイド11月号特集「あなたの小説に足りないのは謎だ!」

書評家・杉江松恋インタビューより

一般的な小説とミステリーとでは、まずは手法が違う。

これは「4コマ漫画のオチ(4コマ目)を1コマ目にもってきたつくり」と考えるとわかりやすい。

「『サザエさん』で、『カツオのイタズラが、タラちゃんの無邪気な一言でバレた』という話があるとします。1コマ目に本来のオチであるカツオが怒られている場面があると、読者は『なぜ怒られているの?』と不思議に思います。次に、カツオがいたずらをしている場面(本来の1コマ目)を読むと、『いたずらをしたからだ』とわかりますが、『なんでバレたんだろう?』という新たな疑問がわく。最後の『タラちゃんの一言があったから』という場面で、すべての謎が解ける。これが『時系列を逆転させる』ということです」

つまり、事件やトリックの有無にかかわらず、時系列をひっくり返せば、どんな作品でもミステリーになるのだ。

公募ガイド11月号

公募ガイド11月号

2019年10月9日発売/定価680円