公募博士の公募授業 川柳1時間目「川柳を作ってみよう!」
様々なテーマの募集があり、気軽に挑戦できる川柳。でも、いざ作ろうとすると、字足らずはいいのか、季語はいるのかなど迷ってしまうことはありませんか? そこで今回は、知っているようで知らなかった川柳の基本と作り方を取り上げたいと思います。ヒルモとヨルモはどんな川柳を作るのでしょうか?
【1】川柳ってどんなもの?
「まずは川柳の基本を確認しよう。下の句のうち、どちらが川柳か分かるかな?」
1. 大根引(だいこひき)大根(だいこ)で道をおしへけり
2. どっからか出して女房は帯を買い
「1は『大根』という季語が入っていて、2には入ってないね。」
「1は昔の言葉だけど、2は今の言葉だよ。川柳は2だ!」
「正解! 1は、大根の収穫をしていた農家の人が、大根を持った手で『江戸はあっちだよ』みたいに答えた、という小林一茶の俳句だね。2は、奥方のへそくりのことを詠んだ川柳だよ。俳句と川柳は似ているけれど、制約の有無や文体がそれぞれ異なるんだ。」
①五七五の十七音で、口語体でよむのが基本。
②季語や、「けり」や「や」といった切字などの制約はない。
【2】自分らしい情景をよもう!
「では、それぞれ公募をテーマに川柳を作ってみよう。見たままを写生したり、まるで見たかのように情景を映し出したりすることがポイントになるよ。もともと俳人・歌人の正岡子規が提唱した作法なんだけど、川柳も俳句の影響を受けて、写生で描写するのがよしとされているんだ。」
「なるほど。『公募出し結果出るまで待つ自分』はどうですか? 博士のアドバイス通り見たまま詠みました。」
「う~ん。これは体言止めを使って表現は工夫しているけれど、当たり前のことを読んでしまっているね。常識的な視点ではなく、自分ならではの視点から作ってみよう。」
「そうだな。ぼくは結果を待つとき、神社でお参りしているから『結果待ち千円入れて神頼み』にしよう。」
「さっきの句より場面が想像できるね。一生懸命入選を祈るヒルモ君の様子が目に浮かんでくるよ。」
①見たままを写生する、または見たかのように情景を映し出す
②五感を使って、説明的にならないように注意する
【3】五七五で無駄なくよもう!
「ぼくもできました! 『満月のお月さまをみて詠む一句』です。」
「この句は、真ん中の七音が八音になっていて、字余りだね。川柳の世界ではこれを『中八』と呼んでいて、戒められているんだよ。なるべく五七五になるように言葉を探してみよう!」
「『満月の月をみながら詠む一句』にしたら十七音になりました。」
「あとは、無駄をなくすようにしてみよう。十七音しかないから一音一音が大切になるんだよ。ヨルモ君の句では『満月の月』という表現を『満月』だけにしても十分伝わるよ。」
「なるほど。今度は『満月に団子味わい詠む一句』にしてみました。」
「減らした分、『団子を味わう』という情景も加えることができたね。」
①字余り:五音や七音より音の数が多いこと
字足らず:五音や七音より音の数が少ないこと
②十七音と限られているため、無駄をなくす
ヒルモもヨルモも、自分らしい句がよめましたね。みなさんもぜひ川柳作りの参考にしてみて下さいね。
参考 「膝ポン川柳」作句のすすめhttps://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/sp/yasumi/index.html