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薬剤耐性って?AMRあるある川柳を取材!

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結果発表

出典:http://amr.ncgm.go.jp/senryu/2018/result.html

薬剤耐性(AMR=Antimicrobial Resistance)とは、病原体が変化して抗菌薬・抗生物質が効かなくなること。近年、抗菌薬が効きにくい細菌が世界的に増えており、大きな社会問題になっている。

この薬剤耐性(AMR)問題について、わかりやすく伝えることを目的に開催された「第2回 薬剤耐性(AMR)あるある川柳」(主催:国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター)の受賞作品が決定した。

応募総数1816点の中から金賞に選ばれたのは、P.N.メチコさんの作品「変えていく 念のためから 明日のため」。

今回は、コンテストのご担当者さんに受賞作品の評価ポイントや、今後の活用についてお話を伺った。

 

――AMRというテーマについてお聞かせください。

AMRとは薬剤耐性のことなのですが、私たち専門家が説明しようとすると、どうしても小難しい話になってしまいます。常々、誰にでもわかりやすく、短くまとめたキャッチコピーのようなものが欲しいと思っていました。

公募をはじめた目的は2つあります。1つは応募する方にAMRについて考えていただくこと。もう1つは、作品を見た方に「AMRってこういうことなのか」と理解してもらうことです。

 

――受賞作品が評価されたポイントはどこでしょう?

今回の金賞作品「変えていく 念のためから 明日のため」には、「抗菌薬」や「耐性菌」といった言葉はまったく使われていません。

しかし、本来だったらさまざまな角度から語らなくてはいけないAMRというものについて、うまく要点を作品に落とし込んでくれています。一般の方が見ても「あ、そういうことなのか」とわかってもらえるという視点で選びました。

 

――一般の方が考えた作品だから、一般の人に伝わりやすい作品ができたのかもしれませんね。

そうですね。作品を見ていると「これはもしかして専門家の作品かな?」と思うものもありました。

ただ、私たちとしては専門的な知識や用語よりも、AMRに詳しくない人が見たときに「あれ、これってなんだろう?」「ああ、そうなんだ」と思ってもらえる作品を求めています。そこが評価にもつながっていますね。

 

出典:http://amr.ncgm.go.jp/senryu/2018/result.html

 

――第1回と第2回で作品の傾向に違いなどはありますか?

第2回のほうがより慣れてきたというか、ご自分の言葉で要点を表現されていると思いました。AMRについて「自分事」になってきていると感じる作品が増えたという印象です。

 

――開催回数が続いていくと、過去作品を勉強してから応募される人も出てきますね。

そういう方もいらっしゃるでしょうね。入賞作品はポスターやチラシに掲載しますし、Facebookには入賞していない作品も定期的に載せていました。それを見てなにかを感じてくれたらいいなあとも思っています。

実は私たち以外にも、専門家の先生が講演などをされるときに、AMR川柳のポスターやステッカーを使ってくださったりしているんですよ。先生たちもどこかでこういうものを求めていたんだなあと感じました。

 

――スタートしたばかりの公募なのに、入賞作品の具体的な活用方法が決まっていると思いました。

これから応募する人は「入賞したらこうやって活用される」と意識すると、入賞に近づけるかもしれませんね。

せっかく開催したのだから少しでも活用したいと思っています。何回でも使ってやろうと(笑)。

AMR問題の周知について、自分たちで考えても限りがあります。いろんな方のお知恵を拝借する意味もあって川柳募集をはじめました。

そういう意味では活用方法はあらかじめ決まっていた部分もありますね。

川柳募集は今後も続けていきたいと考えています。私たちのWEBにAMRの資料を掲載しているので、応募を考えてくださっている方には参考にしていただきたいです。どんな問題なのかを知ってもらい、自分の言葉で伝えるかたちで作品を作っていただけると良いですね。

「どうやって人に伝えるか」ということを大事にしていただけるとうれしいです。

 

 

――AMR対策の普及について、川柳募集以外にもなにか活動されているんでしょうか。

病院の待合室に置くリーフレットを作ったり、学校に貼るポスターを作ったりしています。AMRを解説した動画も作りましたよ。年末年始に新宿の映画館で、この春休みには札幌、横浜、福岡の映画館で、上映前のコマーシャルとして流してもらいました。

一般の方に少しでも「お薬の使い方って大事なんですよ」「こういう問題があるので少し知っておいてくださいね」ということを広げていければと活動しています。

 

――ありがとうございました。

 

【国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター】

http://amr.ncgm.go.jp/

 

(取材:畑 美雪)

【第2回 薬剤耐性(AMR)あるある川柳 入賞作品】

最優秀賞(金賞)

「変えていく 念のためから 明日のため」(メチコ)

優秀賞(銀賞)

「飲み薬 余り物には 福はなし」(先細り人)

「抗菌薬 正しく使い 次世代へ」(かんかん)

入選(佳作)

「耐性菌 作る手伝い 一抜けた」(クリリンゆかりん)

「家でなく 未来に残そう 抗菌薬」(あみっく)

「守りたい 医者の処方と 子の未来」(にわとりママ)

「君の手が 耐性菌の 運び屋さん」(たろしゃん)

「未来まで 効果を残そう 抗菌薬」(メーテル)

「お守りに しないならない 抗菌薬」(高月美舞)

「よく聞いて! 風邪には効かぬ 抗菌薬」(Akiki)

「耐性菌 みんなで知ろう その怖さ」(二宮清風)

「耐性菌 海にも山にも ペットにも」(T.K)

「信じてね 抗菌薬より 免疫力」(nsk)

詳細はこちらのページを参照。