大人も絵本を
みなさん読書はお好きですか。
公募ガイドを読んでいると、ほとんどの小説家の方が読書をお勧めしています。
それを聞くと耳が痛い。
なぜなら私は、本を読むのがすごく遅いので必然的に読める冊数にも限りがあるのです。
本当はたくさんの本を読んで知識や見解を深めたいのですが、こどもを寝かしつけたまま自分までバタンと眠ってしまう日々。
読書できてないなあ・・・と反省する日々でしたが、よく考えると私は毎日読書をしていたのです!
それは、こどもに読み聞かせる絵本。
二週間に一度は図書館で絵本を借り毎晩読み聞かせをしています。
大人になってから絵本を読むと、発見がたくさんあります。
当たり前ですが、幼児向けの絵本は「こどもに確実に伝わる表現」で書かれているのです。
こどもは遠回しな言葉の真意をくみ取ることがまだできないので、おもいっきりストレートな表現が見られます。
三歳以降の絵本は特におすすめです。
三歳まではオノマトペや色彩などの感覚で楽しませる絵本が多いのですが、三歳以降からはストーリーがしっかり出てきて、小学生まで読める面白いつくりとなっています。
また、起承転結がしっかりしているものがほとんどで、教訓じみていないのに得るものがあるという点でも、絵本は素晴らしい。
この毎日の絵本の読み聞かせは、私自身の作品づくりに活きていると感じます。
大人になると、蓄積された知識や経験によって偏りがちな表現になってしまう。
しかし絵本を読むと、シンプルであることの重要性に気付くのです。
私も、誰にでも伝わる「親切な文章」を書きたいと思わされます。
また、こどもと一緒に、絵だけ見てまったく違うおはなしを作って遊ぶこともあります。
字を読むことはせず、絵から好きなストーリーを交互に話していくのです。
ぐちゃぐちゃで無秩序な話にはなるのですが、話を即興で考えるという点ではものすごく脳トレになっていると思います。
たいていは大人の方がつまってしまい、こどもの無限の想像力に驚かされる結果となりますが。
そのめちゃくちゃに膨らんだ話から、作品づくりの発想をもらったりもしているのです。
大人になってから読む絵本、見方によっては公募に活きるエッセンスがたくさん詰まっているのではないでしょうか。