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文章表現トレーニングジム 佳作「怒りの使用方法」 吉田ケイ

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作文・エッセイ
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文章表現ジム
第12回 文章表現トレーニングジム 佳作「怒りの使用方法」 吉田ケイ

宗教では、「怒り」を否定しタブーとすることが多い。「赦し」を基幹におく大部分の宗教において、真逆の感情である「怒り」がタブーとされるのは当然であろう。

しかし、「怒り」を否定しタブーとすることは果たして正しいのだろうか。「怒り」によって世の中が動いた事も多い。

中国、三国時代、呉の国に周瑜という智将がいた。彼は呉の国に尽くすが、彼以上の智謀を誇る諸葛孔明に何度も騙され、ついには悔しさのあまり死んでしまった。周瑜は、「怒り」で我が身を滅ぼし、逆に孔明は、「怒り」を利用し、邪魔な周瑜を倒したともいえる。

時代変わって自身の「怒り」をバネに成功した例もある。

一八世紀英国、スウィフトは政治家として失敗し、故郷アイルランドに追放された。が、世の中への「怒り」から筆をとり、大傑作「ガリバー旅行記」を書きあげた。「怒り」のおかげで傑作文学を後世に残せたのである。

こうしてみると、「怒り」は正と負の両面を持ち合わせた感情であるといえる。要は「怒り」も刃物と同じで使い方次第なのである。

最近「アンガーマネジメント」という言葉が巷で流行っているが、これは「怒らない」ではなく「どう怒りをコントロールするか」に焦点を当てている。

「怒り」をタブーとするのでもなく、周瑜のように身を滅ぼすのでもなく、スフィフトのようにコントロールし結果を残す。

私も正しい怒りの使用方法を心にとどめておきたいものである。