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作文・エッセイ
結果発表
抽象的な関わりを具体的に描く ―作文・エッセイ部門―「良い写真」とは「伝わる写真」 ―フォト部門―審査委員長 矢田宏人さんの言葉から

12月5日、「第10回介護作文・フォトコンテスト」(主催:全国老人福祉施設協議会)授賞式が開催されました。本コンテストは、「Cheers! 誰かがあなたを応援してる」をテーマに介護に関する作文と写真を募集。720点もの作品が集まり、作文・エッセイ部門では最優秀賞1点・優秀賞2点・入選3点、フォト部門では最優秀賞1点・優秀賞2点・入選20点がそれぞれ決定しました。

「介護という職業は専門性が弱いといわれています。一方で『寄り添う』『支える』『笑顔にする』といった抽象的な関わりが大切にされている面があります。」と述べるのは介護・医療の専門出版社㈱harunosoraの代表取締役で審査員を務めた尾崎純郎さん。

「これは誰にでもできるものではありません。「資質」「知識」「心」「志」「技術」などが求められるのです。」この「心」や「技術」を土台として、お年寄りにどのように寄り添い、支え、笑顔にしたのかというエピソードが具体的に描かれた作品が入賞したということです。

 

 

最優秀賞を受賞したのは、介護士の本宮富美子さん自身の介護の経験と介護職に従事している母親のエピソードをもとに、介護への向き合い方を綴っています。

フォト部門審査員で写真家の鈴木心さんは、「写真の美しさは被写体のそれとはあまり関係がありません。いかに見る側の想像力をかきたてられるか、感動が写真を見た人に伝わっているかが大事で、選定のポイントになっています」と「良い写真」の条件を話してくれました。

応募作品には、苦労が多いはずの介護現場において、温かさやユーモアのある瞬間を切りとった作品が多かったそうです。

 

 

 

最優秀賞に輝いたのは、特別養護老人ホームで働く鈴木学(がく)さんが撮影した1枚。ホームのお年寄りの満面の笑顔が印象的だ。

ホームの性質上笑顔を見る機会が少ないため、常にカメラをしのばせ、貴重な瞬間を逃さないようにしていたそうです。

介護という仕事のなかで介護者が利用者との出会いや感動を経験し、介護の魅力が感じられる作品が印象に残ったと語るのは審査委員長の矢田さん。「実態とは大きくかけ離れたイメージを持たれがちな介護という職業ですが、本コンテストを通してその魅力を発信・拡散させていきたい」と、今回の授賞式を締めくくりました。