【結果発表】新聞配達に関するエッセーの入選作品が決定!
応募総数3541通の頂点が決定!
日本新聞協会が主催する第24回「新聞配達に関するエッセーコンテスト」が実施され、2017年9月29日に審査結果が発表されました。
■募集内容:
新聞配達や新聞販売所に関するちょっといい話、新聞販売所スタッフとの心温まるエピソード、新聞配達での経験を募集。作品は400字程度。「大学生・社会人」「中学生・高校生」「小学生」の3部門がある。
■締切:
2017年7月1日
■主催:
日本新聞協会
選考は昨年に引き続き特別審査員のタレント・春香クリスティーンさんと新聞協会販売委員会が行いました。
今年は海外も含めて3541通の応募があり、各部門の最優秀賞、審査員特別賞、優秀賞、入選の全30編が決定しました。
大学生・社会人部門 最優秀賞(賞金10万円、記念の盾)
「見ていてくれた人」
青山未花子(24歳)
新聞配達員は、お客様に気が付かれてはいけない。
大学は新聞奨学生として通った。猛暑、大雪、停電、嵐をついて、ポストを目指して走った。心掛けていたのが「新聞配達は意識されないことが最良」ということだった。
毎朝「今日も新聞が届いているな」と考える人はいないと思う。新聞配達員が意識されるのは、不着・雨ぬれ・破け・遅配などで正しく手元に届かなかったとき。だから、意識されるまでもなく当然毎日そこにある、それが新聞のあるべき姿だと思っていた。
けれど、最後の配達日、朝の2時、真っ暗なポストの前で私を待っている人がいた。初めて手渡しで新聞を届けると、引き換えにくれた手紙。
「卒業おめでとう。毎日4年間、新聞を届けてくれたね。あなたの未来は開けている、大きくなれる人。絶対幸せになって。心からありがとう」
見ていてくれた人がいた。うれしかった。
新聞配達員はお客様に気付かれてはいけない。けれど、新聞を介して確かにお客様とつながっていると、強く思う。
中学生・高校生部門
最優秀賞(図書カード3万円、記念の盾)
「心のエネルギー」
栁谷杏那(13歳)
「婆は、あなたのママが小さいころ背中に背負い新聞配達をしていたのよ。免許がなかったから、雨、風、雪の日も自転車の荷台に新聞を載せ、高台まで押しながら上り、団地周辺や家の近くを約二百件。小さな子供がいると仕事に就くことが難しく生活の足しにと始めたのよ。でも、子を背負い配達する婆の姿に配達が遅れてもぐちも言わず玄関先で待っていてくれたり、子供さんにとお菓子を握らせてくれたり、さらには新聞販売所の方が終わってから手伝いに来てくれたり、たくさんの人の情けに助けられ感謝したよ。さりげない言葉や行動に涙があふれたよ」
ポストに入る新聞の音を聞くたび祖母の話を思い出します。
毎日手にする新聞ですが、自分が手にするまでにも目に見えない風景があります。新聞から伝えられるさまざまな出来事に興味がわきます。楽しい記事ばかりではありませんが、世の中に起きているどんなことでも私が成長していくための心のエネルギーです。
小学生部門
最優秀賞(図書カード2万円、記念の盾)
「日本一の新聞屋さん」
糸原愛理(12歳)
日本一の新聞屋さんが、私の住む町にいる。
2017年2月10日、私が住んでいる、広島県庄原市高野町で、全国最多の24時間降雪量71cmを記録した。前日までに降った雪と合わせて、125cmになった。
その日の朝、お父さんは新聞を読んでいなかった。新聞が届いていなかったからだ。
小学校は1、2時間目が休みになり、大雪で、駐車場から車が動かせなくて、お父さんも仕事を休んだ。
外で雪かきをしていたお父さんが、新聞を持って家に入ってきた。新聞屋の宮野さんが歩いて届けてくれたらしい。車を止める場所もないくらい大雪だから、すごく遠くから歩いてきてくれたんだと思う。まだ雪がたくさん降っていたけど、新聞はぬれていなかった。大事に持って来てくれたんだなと思った。
いつも新聞が届くのは当たり前だと思っていたけど、こんな大雪の日でも、町のみんなに、大切に届けてくれていることを知った。
日本一たくさん雪が降った日に、新聞を届けてくれた宮野さんは、日本一の新聞屋さんだと思う。
その他の入選者名・各入選作品はこちらから読むことができます。
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/list_2017.html
入賞作品は日本新聞協会と加盟新聞各社、新聞販売所が行う、読者に新聞の戸別配達制度をより深く理解していただくためのさまざまな活動に使用されます。
また、2016年度と2017年度には、その前年の大学生・社会人部門の最優秀作品を基にショートムービーが製作されました。
2016年度の大学生・社会人部門の最優秀作品を基に製作されたショートムービー「いつでも どこでも」はこちらです。
審査は内容重視!
入選作品の決定にあたり、次のようなポイントで審査されました。
・新聞販売所や配達スタッフなど新聞配達に関するエピソードであることが必須
・文章のうまいヘタよりも内容を重視
・新聞配達を身近に感じられるエピソードが選ばれやすい
・事実に基づいた内容であれば、自分自身の体験に限らず、人から聞いた話でもよい
学校やクラス単位での応募も受け付けました。
公募情報の詳細はこちら
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/list_2017.html