佳作「タロウとケンジ、そしてメグミとミノリ 沢はじめ」
第6回 文章表現トレーニングジム 佳作「タロウとケンジ、そしてメグミとミノリ 沢はじめ」
タロウとケンジが人気を二分していた。安くて美味いから。それにつきる。内容量9グラムの袋が、たったの2円。誰でも買える。
タロウとケンジとは、インドネシアで売られているスナック菓子。「太郎」の名が付く駄菓子は日本では多いが、タロウ・ケンジはインドネシアの企業が売り出している菓子だ。なぜ日本人の名が付けられたは不明。おそらく、高品質な「日本の菓子」だと消費者に思わせるためだろう。(それにしても、なぜジロウでないのか謎だ)
タロウとケンジはインドネシアの子どもたちに大人気。インドネシアのでは小学生はよく買い食いをする。毎日3円ほどの小遣いをもらって、学校帰りに駄菓子屋で菓子を買う。タロウとケンジは飛ぶように売れている。
ある時、新発売のスナック菓子が出た。その名も「メグミ」と「ミノリ」。今度は女性の名前だ。「おしん」はあまりにも有名だが、メグミとミノリでは女性の名前どころか、インドネシア人にとっては何を意味するのかも分からないだろう。またまた日本の菓子だと勘違いさせて売ろうという魂胆が丸見えだ。
ところが、今回は私の勘違い。なんと、スナック菓子の大御所カルビーがインドネシアに進出してきて、かっぱえびせんを「メグミ」、おさつスナックを「ミノリ」として売り出していたのだった。なぜこんな名前が付けられたかは、まったくの謎だ。
でも、本家本元として、負けるな。