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ネットの海で物語る【第3回】書籍収録を狙え!蜂賀流妄コン攻略法を公開

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書籍収録を狙え!
蜂賀流妄コン攻略法を公開

前回、初心者におすすめの小説コンテストとして小説投稿サイト・エブリスタで開催されている『三行から参加できる 超・妄想コンテスト』をご紹介しました。

今回はそこから一歩踏み込んで、妄想コンテストに関する私なりの攻略法を共有します。なお、これはあくまでも蜂賀個人の見解・分析であり、公式が発信している情報ではありません。ご注意くださいませ。

はじめに

妄コンに応募する場合は、応募する作品の種類は2パターン、そして自分の目標を2フェーズに分けることができます。

▼応募する作品の種類
1 妄コンのために新たに書いた作品
2 他の公募で落選した作品を再利用するもの

▼応募にあたっての目標フェーズ
A 受賞する
B 書籍収録作品に選ばれたい

作品の種類・目的によって気をつける点や意識することが変わってきます。まずは自分が「どんな作品で応募し、どのような目標を持って妄コンに挑戦するのか」を明確にしてください。

1-A】「新たに書いた作品」で
「受賞」を目指す場合

妄コンに応募するために作品を書き、受賞だけを目的とする場合、第一に気をつけなければいけないのは応募要項とエブリスタの利用規約です。当然ですが、応募要項と利用規約が守れていない作品は、作品の良し悪しに関わらず選考外になります。はっきり言いますが、最低限のルールを守れていない応募は皆さんの想像以上に多いです。ルールを守ることで受賞の可能性は必ず高まります。これは妄コンだけでなく、すべての公募に当てはまります。 妄コンの場合、特に注意すべきは以下4点です。

• 文字数が100文字~8000文字になって
いるか
• 他社サービス等へ重複応募をしていないか
• 他者の権利を侵害した作品ではないか
• 不適切な表現がある作品になっていないか

(例えば、性表現が大半を占めている作品、過激・露骨な性表現を含む作品はコミュニティガイドライン違反になります)

エブリスタにおいて、あくまでも露骨ではない性表現を含む作品等はレーティングマークの設定を行うことで投稿することが可能です。ただし、受賞自体の難易度は上がる可能性があります。妄想コンテストの結果発表ページを順に見ていくとわかるのですが、レーティングマークのついた受賞作品は滅多にありません。

この作品種類・目標においては応募規約を守ったうえで、比較的自由に発想の羽根を広げて挑戦することができます。ただし、自由であるがゆえにテーマから想像した物語が他の応募者のアイディアと被る可能性が高くなります。似たアイディアで他の応募者と差をつけるためには、圧倒的な文章力や構成・展開が必要になってしまいます。いくつかアイディアを出したあとに、独自性の高いアイディアを選ぶことをおすすめします。

2-A】他の公募で落選した作品を応募して、受賞したい

公募生活を続けていると、落選した作品を別の公募に応募したい!と思うことも少なくありませんよね。妄コンでは、別の公募で落選した作品を応募することは問題ありません。(作品の諸々の権利が自分にあればOK)応募要項を守れているのなら、ぜひ挑戦してみましょう。ただし、ここで気をつけなければいけないことが1点あります。

• 作品は応募する妄コンの「テーマ」に当てはまるか

妄コンにおいて「テーマ」に沿っているかはとても重要な評価基準になっています。こちらも今までの妄コンの結果発表ページから見てとれるのですが、必ずと言っていいほど「テーマからどのような作品が応募されたか」や「テーマに対する作品の傾向」が語られています。テーマに沿っていない場合は、受賞できないと判断していいでしょう。作品を再利用する場合はそのテーマに沿っているかどうかをよく検討し、沿っていないようでしたら無理に応募せず良いテーマが来るのを待つ方が賢明です。判断が難しい場合は、そのテーマに沿えるように改稿し、作品のブラッシュアップをするのがおすすめです。アイディアに関してはもともと妄コンのテーマを基に書いたものではないので、他者のアイディアと被りにくのではないでしょうか。これは再利用するからこその強みです。作品の使いまわしに否定的な気持ちを持つ方もいると思いますが、泥臭く応募したからこそ手に入れられるものもあります。あなたが生み出した大切な作品が輝くチャンスがあるなら、ぜひ挑戦してみてください。

1-B2-B】書籍収録を狙う
場合

まず、前提として書籍収録のステージに立つためには受賞をしなければいけません。そのうえで、刊行される5分シリーズのテーマに適した作品にエブリスタ編集部から声がかかります。今後刊行されるテーマがどのようなものか予測するのは不可能ですが、5分シリーズ全体のコンセプトに寄り添うことなら可能です。

今、これを読んでいる皆様は「5分シリーズ」がどのような本かご存じでしょうか?
知らない方は、お近くの書店さんや図書館で「5分シリーズ」がどこの棚にあるのか探してみてください。
私は妄想コンテストに挑戦する前に、いくつかの書店さんを回って調べてみました。

「5分シリーズ」は児童書の棚にあるんです。
また、「5分シリーズ」の多くは「全国学校図書館協議会選定図書」に選ばれています。これは、学校図書館に適した図書を全国学校図書館協議会が選定したものです。

勘のいい人はこの情報で気づくでしょう。
受賞したうえで、「児童書」のカテゴリーに入っても不自然じゃない作品を書くことで、書籍収録の可能性を高めることができるはずです。逆に言えば、作品の内容がすごく面白くても、レーティングマークをつけなければいけない作品の収録は現実的じゃないのです。5分後シリーズの読者層は小学生~高校生がメインになります。
このように、自分が目標とする書籍について調べていくことで、作品の仕上がりや表現をどうするかを決めていくことができます。

さて、ここからさらに一歩踏み込んでいきます。 長くなってきているので、適宜休憩しつつ読んでくださいね。

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■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。

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