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ネットの海で物語る【第4回】小説は急に書けるもの? 1/2

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小説は急に書けるもの?

「小説なんて、急に書いたり普通はできないよ。だから、いきなり書けるってのは才能がある ってことなんだよ」

私が小説を書き始めたことを友人に話すと、このようなニュアンスの言葉が返ってくることが 多いです。友人たちは悪い意味で「普通」や「才能」という言葉を使っているのではありません。 “小説を書く”という行為が、友人達にとって遠く離れた位置にあるからこのような感想が 出てくるんだと思います。

私は、ほとんどの人が「自分は小説を書けない」と、そう思い込んでいるだけで、 本当は小説を書ける人がたくさんいると考えています。 特に介護職や医療従事者として働いている方々は書ける可能性が高いはずです。

今回は、そんな介護の仕事と小説執筆の関係性について書いていきます。 あなたも知らず知らずのうちに、小説を書くトレーニングをしているかもしれません。

初めて書いた小説

私が仕事を辞めてから、初めて書いた小説は3,000字で完結する恋愛小説でした。 KADOKAWAが運営する小説投稿サイト・カクヨムで開催されていた「5分で 読書 短編小説コンテスト」に応募するために書いた作品です。 投稿する瞬間、ドキドキしたのをよく覚えています。

いっぱい読まれたらどうしよう?
下手だって言われないかな?
どんなコメントが来るだろう……。

はい、狸の皮算用です。そんな心配はいりません。いっぱい読まれるどころか、 当時PVは10あるかないかだったと思います。 もちろんコメントは0。「え? 反応ってこんなにないものなの!?」なんて思っていました (今だからこそわかりますが、このときの拙すぎる私の小説を読んでくださった方々に深く 感謝したいです。貴重な時間をありがとうございました)。

投稿して2、3日するといくら初心者の私でも勘づき始めます。
「あ、これうまく書けてないのかもしれないな」と。

改めて自分の書いた小説を読み返すと、なんだかスッと文章が入ってきません。 自分が作った設定(のようなもの)を知らない人は、内容が理解できない感じ。 作品を書いてから時間を置いたことで、その事実に気づくことができました。

誰が見てもわかる文章

小説において、大切なものはなんでしょうか?

アイディア?
文章力?
構成?

そのどれもが大切ですが、まずは大前提として「内容を理解してもらう」ことが必要です。 内容を理解してもらうには、誰が見てもわかりやすい文章、 誰が読んでも同じように想像できる文章でなければいけません。 例えば、介護の現場においては、職場の共通言語とでも呼ぶべき文章が存在します。 介護職の皆さんならすぐにピンときていただけるでしょう。
そう、“介護記録”です。

合っているかはわかりませんが、私は介護記録で得たノウハウを活かし、 小説を書いてみることにしました。小説なら初心者ですが、介護記録ならお手の物です。 自慢っぽくなりますが、私は介護福祉士養成校(短期大学)卒業時、 日本介護福祉士養成施設協会から表彰されています。 簡単に説明すると、首席で卒業したということです。

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■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。

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