シナリオライターになりたいあなたへ【テレビドラマ・映画編】
映画やテレビドラマ、CM、舞台などの作品において、ストーリーの基盤を支えるのが「シナリオ」。
ひとくちにシナリオ公募といっても、短編ドラマから90分を超える映像作品、落語や戯曲、漫画原作まで、そのジャンルは多岐にわたります。
そこで、シナリオライターを目指す人向けに、ジャンルごとに定番のシナリオ公募をまとめました。
今回はテレビドラマ・映画編です。大賞受賞作は映像化される公募も多く、シナリオライターとして一気に飛躍するチャンスをつかめるかも!?
※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。
【テレビドラマ】大賞作品はNHKで制作・放送! 創作テレビドラマ大賞
【概要】
映像界の第一線で活躍する脚本家を発掘・育成を目的とした、日本放送作家協会とNHKとの共催による映像ドラマ脚本の公募賞で、大賞作品はNHKで制作、放送。恒例となっていることもあり、高品質な単発ドラマとして視聴者からの評価も高く、多くの人に自分の作品を見てもらえるチャンスを掴める。
【母体】
「日本放送作家協会」はラジオ・テレビなどの放送メディアで活躍する作家同士の親睦と、放送文化の向上を目的として1959(昭和34)年に設立された文化団体。
【編集部の独り言】
受賞作品はNHKで制作・放送されるということもあり、社会問題などを取り上げた人間ドラマが受賞する傾向。応募数は毎回1000編前後で、最新の第48回は近年最多の応募総数1123編と、注目度の高さが伺えます。最近では2019年に「星とレモンの部屋」で大賞を受賞した佃良太さんが朝ドラ「舞い上がれ!」の共同脚本家として起用されるなど、受賞後の活躍も期待されます。
【公募DATA】
規定枚数 400字詰原稿用紙で50枚~55枚。
賞 大賞1編 賞金50万円、NHKで制作・放送
締切 6月30日正午 ※2020年から応募フォームからの応募のみ
【テレビドラマ】大賞賞金500万!テーマの中に、個性を光らせろ テレビ朝日新人シナリオ大賞
【概要】
テレビ朝日の明日を担うフレッシュで有能なライターの発掘及び育成と、現場の活性化と視聴率アップ指すため、2000年に創設されたテレビ朝日主催のシナリオ公募。毎年テーマが設定され、それに沿ったテレビドラマ作品のシナリオを募集。大賞作品は推敲のうえで映像化される可能性がある。
【母体】
主催のテレビ朝日は「相棒」や「科捜研の女」、「ドクターX~外科医・大門未知子~」など、長年愛され続ける数々のヒットドラマを生み出している。
【編集部の独り言】
2023年度のテーマは「ラブストーリー」、2022年度のテーマは「家族」。どちらもテレビドラマとしてはよく見るテーマなだけに、いかに自分の個性を光らせるかがポイントになりそうです。2022年に大賞を受賞した「拝啓、奇妙なお隣さま」は今年7月にテレビ放送、2024年1月にDVD&Blu-rayの発売も決定しました。賞金の高さも魅力のひとつ。
【公募DATA】
規定枚数 指定のシナリオフォーマットに記入
賞 大賞1編 賞金500万円、映像化される可能性あり
最終選考委員 井上由美子、岡田惠和、両沢和幸(50音順)
締切 3月1日15時 ※2023年度(第23回)からWEB応募のみ
【テレビドラマ】「自称」35歳以下ならOK!?あの有名脚本家もここからスタート! フジテレビ ヤングシナリオ大賞
【概要】
1987年に創設された、「自称若手」を対象としたフジテレビ主催のシナリオ公募。有能なシナリオライターを発掘して終わりではなく、その後の育成にも力を注いでいることで有名で、実力がある人なら受賞後すぐに連続テレビドラマの脚本を任されることも。
【母体】
主催のフジテレビといえば、月曜の夜9時から放映されるドラマ「月9」の印象が強く、今なお愛される名作も多い。
【編集部の独り言】
テーマが自由で複数応募が可能なため、応募数が多くなる傾向があり、難易度は高いです。前回の受賞作品のシナリオ全文が公式HPで確認できるので、ぜひ参考に。「東京ラブストーリー」の坂元裕二氏や「101回目のプロポーズ」の野島伸司氏、最近では「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子氏など、数々の有名作家がここから生まれています。
【公募DATA】
規定枚数 400字詰原稿用紙で50枚~60枚
賞 大賞1編 賞金300万円 大賞・佳作のうち1編を映像化し、放送
締切 2月28日
【テレビドラマ】作品を通して「あなた」という作家を売り込むチャンス! シナリオS-1グランプリ
【概要】
脚本を勉強するスクールであるシナリオ・センターが主催するシナリオ公募コンクール。映画やテレビドラマの業界に才能ある新たなシナリオライターを送り出すことを目的とし、スクールを受講していなくても応募が可能。受賞作は、制作会社やプロデューサーの方も読む「月刊シナリオ教室」誌上に必ず掲載される。
【母体】
優秀なシナリオライターの養成を目的に1970年に創立されたシナリオライター養成スクール。創設者は「シナリオの父」とも呼ばれた新井一。
【編集部の独り言】
年2回開催されるので、挑戦しやすいコンクール。映像化に直結はしないものの、自身の書いたシナリオを多くの業界関係者に読んでもらえるチャンスを掴めます。それをきっかけに、デビューへの道が開けるかもしれません!
【公募DATA】
部門 ①テレビドラマ化を想定したもの ②2時間ドラマ、映画どちらを想定しても可
規定枚数 ①200字詰原稿用紙で100~120枚 ②200字詰原稿用紙で200~230枚
賞 グランプリ1編 賞金30万円 「月刊シナリオ教室」に全文掲載
締切 2月20日前後/8月20日前後
【テレビドラマ】生涯家族を描き続けた橋田壽賀子の思いをつなぐ新人賞 橋田賞新人脚本賞
【概要】
ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」などで知られる脚本家・橋田壽賀子の名前を冠した新人脚本賞。生涯「家族」をテーマにした作品を送り出してきた橋田壽賀子の思いを継ぎ「家族」をテーマにした作品を募集。令和5年度は短編部門が設けられた。
【母体】
橋田壽賀子が理事を務めた橋田文化財団。日本人の心や気持ち、人間関係を温かく描き出し、感動を与える創作活動の支援や、文化放送界に貢献する有望な新人を発掘などを目的としている。
【編集部の独り言】
奇抜な設定や企画の斬新さではなく、純粋に人と人との触れ合いを書いた作品が求められています。近年は入選作無しの回が続き、難易度の高さが伺えます。入選作のほか、佳作も一部公式サイトで公開されているので、求められる作品は何か、ヒントを得よう。
【公募DATA】
部門 ①短編部門 ②1時間作品
規定枚数 ①400字詰原稿用紙で10枚~15枚程度 ②400字詰原稿用紙で50~65枚程度
賞 入選作1~3編 賞金20万円、映像化されTVerなどで公開
締切 ①10月15日 ②10月31日