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ネットの海で物語る【第8回】趣味が仕事に? 執筆依頼は突然に

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作文・エッセイ
ネットの海で物語る
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趣味が仕事に?
執筆依頼は突然に

続けての受賞、そして誹謗中傷……。

公募の酸いも甘いも表面ぐらいは知ることができた私は、めげずに公募チャレンジを続けていました。小説はもちろん、怪談やエッセイ、様々なものに挑戦していた矢先、その日は突然訪れました。

X(旧Twitter)で、突然のメッセージ。

「記事の執筆をお願いしたくご連絡いたしました」

連絡をくれたのは大手メディアの公式アカウント。 多くの人がその存在を知っている企業でした。

執筆依頼は突然に

依頼内容はコラムの連載。
用意された「怪談」を読みやすいように文章に起こし、構成・編集をするものでした。

当時、「竹書房怪談文庫怪談マンスリーコンテスト」に挑戦していて、実話怪談の執筆をしていました。その公募で落選した作品を、どうせなら~と軽い気持ちで「note」に公開していたのです。

それが編集部の方の目に留まり、今回の依頼に至ったとのこと。
当時まだ腰椎椎間板ヘルニアの治療中でしたが、腰痛は慢性化してしまい完治も見込めず、そのまま再就職を考えていました。

これも何かの縁。勇気を出して引き受けてみることにしました。担当の方からいただいた依頼文には「読みやすく、情景が浮かぶ、温度の伝わる文章」と私の文章を評価していただいていました。 その期待に応えたい、頑張りたいと思ったのです。結果、編集部の皆様に助けてもらいながら、無事に最後までお仕事をすることができました。

ネットで作品を公開していたからこそ生まれた可能性

「文章でお金を稼ぎたい」と考えた場合、文学賞を受賞したり、小説投稿サイトのランキングで上位をとることで小説が書籍化したり……というイメージが強いかもしれません。

しかし、自分たちが想像している以上に文章を書く仕事は多いです。私も自分なんかに執筆依頼がくるなんて考えてもいませんでした。 ですが、ネットで作品を公開していると可能性はゼロじゃなくなります。公開している文章は世界中に発信しているのですから。 今読んでいただいているこのエッセイも、そんな縁から始まっています。企業の企画やイベントが、クリエイターとしてのあなたを求めている可能性があって、 そしてあなたと何かを繋ぐきっかけがインターネットの世界には溢れています。これって、とっても魅力的で素敵な話だと思いませんか?

Xやnote、様々なプラットフォームに作品を投稿することで、縁ができる可能性があるのを知っておいてほしいです。それは、ネットで創作活動をする大きなメリットです。 そして、自分の創作物でお金を稼いだ、仕事をした経験というのは創作のモチベーションを上げてくれます。仕事には責任も伴いますが、心が折れそうなときに、自分を評価してくれた人がいた事実が大きな支えになるでしょう。

自分の創作活動に関連する仕事に興味がある方は、ぜひ自分の窓口(連絡先)を用意してみてください。

詐欺には注意する

ただし、そのようなクリエイターの心理を利用して「詐欺行為」を働く不埒者も存在します。詐欺ではなくても、悪質な案件(異常なレベルで報酬が低いなど)の可能性もあります。 執筆依頼がきたときは、相手の情報はもちろん、契約条件を必ず確認してくださいね。

さて、無事に初めてのお仕事をこなした私は、「創作・文章を仕事にする」ことができないかと考え始めました。次回は「クラウドソーシング」についてのお話をさせていただきます。広いネットの世界で、自ら仕事を探しに行きます。

※次回は10/25(水)更新予定です。


■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。

Amazonのアソシエイトとして、㈱公募ガイド社は適格販売により収入を得ています。