公募でステップアップ! 短歌公募 〜中級編〜(1/2)
空前の短歌ブームと言われる昨今、若い世代からシニア層まで短歌に挑戦してみる人が急増したと言われています。これまで、取り組む人口としては俳句>短歌だったのですが、ここ数年、短歌は特に10〜40代の人気も高く、SNSなどを活動の場にする人が目立つようになってきました。そういった人々の多くは短歌結社に属さないため、実際の「短歌人口」は計りしれません。
短歌を詠むことに慣れ、いつか自分の短歌を歌集にまとめたいな……と思いはじめている人。もしくは、歌集はともかく少し大きな挑戦をしたい人や、選考委員に読んでもらいたい人。発表の場がほしい人。1首単位での応募ではなく、まとまった歌数を応募する、中級者以上向けの公募に挑戦しませんか?
今回は、中級者以上におすすめの短歌公募をご紹介します!
※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。
あの歌人もこの賞からデビューした 短歌研究新人賞
現在、NHK短歌で選者を務める山崎聡子さんや、小説家・実業家でもある歌人・小佐野彈さん、遡ると中城ふみ子や寺山修司も受賞したのがこの短歌研究新人賞です。同じく、現NHK短歌選者の岡野大嗣さんも本賞の次席を獲得しました。30首1作品として応募するため、テーマ性や丁寧な構成が求められます。短歌専門誌「短歌研究」の結果発表号は、選考委員の講評も含めて毎年話題に。かなりの人数が一次選考を通過し、2首ずつ誌面に掲載されるので、あなたの名前と作品が活字になるチャンスです!
東直子さんも受賞者のひとり 歌壇賞
雑誌「公募ガイド」でも長く連載を務めていた歌人・東直子さんもかつて受賞した歌壇賞。短歌研究新人賞、歌壇賞、この次にご紹介する角川短歌賞と合わせて「短歌の三大新人賞」といわれることもあるようですが、なかでも歌壇賞の歴代受賞者は女性が多い傾向にあります。あくまで傾向ですが、これまで男性歌人が中心となることの多かった短歌史において、早い段階から幅広い作風を評価してきた賞と言えるかもしれません。30首を1作品として応募し、短歌専門誌「歌壇」にて講評と結果発表が行われます。
俵万智さん、穂村弘さんを輩出 角川短歌賞
1955年に設立した角川短歌賞。やはり特筆すべきは俵万智さんが受賞したこと、その時の次席が穂村弘さんだったことでしょう。この第32回は歌壇に口語短歌を定着させるきっかけとなりました。以前にNHK短歌選者も務めた小島なおさんも、高校生時代に本賞を受賞。年齢問わず、短歌史に名を刻む歌人を送り出している賞です。50首1作品として応募するため、しっかりと「読ませる」力量が問われます。このような複数の短歌で構成する「連作」という形式を知るためにも、多くの歌集を読みたいものです。短歌専門誌「短歌」にて、講評と結果発表が行われます。賞金は30万円。
「歌集」の原稿を大募集 現代短歌賞
作品がある程度まとまってきたら、いつか歌集にしたいと思うもの。ただ、自費出版となると相当額の費用が発生します。また、書店などで販売してもらうとなると、さらに手間やコストが……。黙っていても、出版社から「あなたの歌集を出版させてください」と声がかかることはありません(あるとしたら詐欺なので要注意)。歌集を出版し、流通させたい方にイチオシなのが、こちらの現代短歌賞です。受賞作品は出版確約。300首は一般的なハードカバーの歌集1冊に収録される歌数です。自分の歌集の原稿を練るつもりで応募しましょう!