小説投稿サイトのすべて⑤:アルファポリス/カクヨム


アルファポリスのここがすごい!
出版申請ができる
24時間ポイントが1500ポイントになると出版申請でき、書籍化が検討される。
投稿で稼げる
投稿すると人気に応じてスコアが与えられ、ギフトカードなどがもらえる。
大賞賞金10万円~
毎月1回、ジャンルを変えてWebコンテンツ大賞を実施にしている。
出版申請が通ると編集者がついて書籍化
市川拓司がWEBで書いていた『セパレーション』を世に出したアルファポリスは、2000年にサービスを開始。当初はコンテンツ登録サイトとしてスタート。
小説や漫画が投稿できるようになったのは2014年だが、アルファポリス自体が出版事業を手がけており、創設当初からWEB小説の書籍化を行っていた。
アルファポリスの大きな特徴は出版申請ができること。これは読者の評価などによって24時間以内に1500ポイントに達すると編集部に書籍化を申請でき、審議に通れば書籍化が決まるというもの。
では、1500ポイントとはどの程度の難度だろう。
「誰でも簡単に達成できるという数字ではありませんが、極めて困難というレベルではありません」(アルファポリス担当者)
自分の作品書籍化したいと思う人は挑戦してみよう。申請は毎週のようにあり、年間かなりの数のコンテンツが書籍になっている。
また、アルファポリスには「投稿インセンティブ」というサービスがある。これは投稿して人気を集めるとスコアが与えられ、ギフトカードや現金と交換できるというもの。
通常、趣味で投稿している場合はリターンはないが、実益もあるのはうれしい。
さらに実益が欲しい人には、毎月実施される「Webコンテンツ大賞」があり、大賞と読者賞には賞金が贈られ、書籍化のチャンスもある。
アルファポリス発の本
「ゲート自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』(柳内たくみ著・アルファポリス)
東京に異世界の怪異がなだれ込む。累計420万部突破の自衛隊ファンタジー。
カクヨムのここがすごい!
システムははてな
システムの面はブログサービスなどで知られるはてなが担当、タッグを組む。
二次創作ができる
人気キャラクターをたくさん持っているKADOKAWAならではのサービス。
大手出版社が運営
総合出版社KADOKAWAが運営するだけに書籍化に期待が持てる。
KADOKAWAとはてなの最強タッグ
大手出版社が直接運営する小説投稿サイトのカクヨム。
システムの面ははてなブログなどのサービスで実績のあるはてなが担当し、小説の目利きの部分をKADOKAWAが担当。
サイトの立ち上げにあたっては、先行サイトにあるものは取り入れ、先行サイトにはできないことを採用しようと心がけた。
たとえば、その―つが二次創作。
無断でやれば違法になってしまう二次創作も、多数のキャラクターを持ち、各著作権者とリレーションのあるKADOKAWAだけに、許諾を受けて多数の人気作品を用意している。初心者にとっては、気軽に取り組めるうれしいサービスだ。
「やはり小説を書く裾野を広げたいということがありました。二次創作であれば、キャラクターはできている、世界観も知っているという中で、あとはストーリーを考えるだけですので、初心者には書きやすいと思います」(カクヨム編集部・河野葉月編集長)
さらにカクヨムでは、長編や短編、オールジャンルやテーマありなど各種コンテストを開催しており、作家志望の人から、創作の初心者まで創作モチベーションが刺激される。
また、カクヨムは「書ける、読める、伝えられる」をコンセプトとしており、読んだらレビューを書くことを推奨している。これも書く意欲につながる。
「批評ではなくレビュー。面白かったらよいところを書いてお勧めしてもらい、それが次の読者につながりますよと推奨しています」
カクヨム発の本
『横浜駅SF』(柞刈湯葉著・KADOKAWA)
横浜駅が増殖して日本を覆い尽くす未来小説。第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞。
※本記事は「公募ガイド2017年8月号」の記事を再掲載したものです。(特集監修:飯田一史(WEB小説評論家))