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ネットの海で物語る【第12回】書籍化作業に向けて~備えあれば憂いなし~ 1/2

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書籍化作業に向けて
~備えあれば憂いなし~

2022年某日。
こつこつと小説を書いていた私にメールが届きました。

それは、書籍化の連絡。

ケータイ小説サイト野いちごで開催されていた「第2回 野いちごジュニア文庫大賞」でホラー部門優秀賞を受賞した作品について相談したいとの内容でした。

この連絡を受けた瞬間、頭が真っ白になりました。 長編作品で受賞しても書籍化に至らないケースもたくさんあるのがこの界隈です。
「信じられない。まさか自分の作品が書籍化?」 なんて、応募してるんだからそういうこともあるだろ!って感じなのですが、急に話が来ると信じられないものなのです。今だからこそ話せますが、いただいたメールアドレスのドメインめっちゃ確認してました。

書籍化の相談は突然に来る。
今回は、私が書籍化作業を進めるにあたって備えておいて良かったことを紹介したいと思います。 書籍化を目指して創作活動をしている人は、よければ参考にしてください。

打ち合わせと名刺

書籍化にあたって、出版社の方と打ち合わせをすることになります。打ち合わせの方法は色々あります。

①出版社に自分が訪問する。
②編集さんに自分の場所まで来てもらう。
③zoom等を使用してオンライン上でする。

ほか、アンソロジーや短編集での作品収録だと、メールなどのテキストのみで打ち合わせすることもあると思います。

自分はタイミングにも恵まれ、直接出版社さんにお伺いすることができました。 すごく緊張しましたが、ものすごくいい編集者さんに出会うことができ、安心して打ち合わせ・契約することができました。

そうそう「会社に訪問するわけだし、服装はスーツのがいいのかな?」と心配になったので、編集さんに直接聞きました。(そんなもん聞くな) スーツでもカジュアルでもいいとの返答をもらいましたので、どうせなら色々東京を見てまわりたかったので、お言葉に甘えてカジュアルで行きました(笑)

もうひとつ迷ったこと。それは打ち合わせの際に、名刺を持っていくか迷いました。 さすがにそれは質問しませんでしたが(笑)
本業のものがあるなら持っていってもいいかもしれませんが、打ち合わせのためだけにわざわざ作家用の名刺は作らなくてもいいかな?と個人的には思っています。 打ち合わせと言ってもまだ刊行が確定したわけではありませんから。
それに、書籍化作業のなかで作品のタイトルが変わったりすることもあります。 もし名刺に書籍化予定の作品名を書いちゃったりしたら、ムダになっちゃう可能性もあります。
書籍化作業が終わり、無事に刊行が決まってから名刺を作っても遅くないんじゃないでしょうか。

ただ、例外として謝恩会など出版社主催のパーティに出席する場合は早めに用意しておく方がいいと思います。その場合は、名刺を作るとしても筆名と連絡先だけなど、簡単なものにしておく方が無難でしょう。
名刺の印刷やデザインにも時間がかかるものですし、普段から創作仲間に名刺をどこで作ってる?なんて話を聞いてみて、情報交換をするのもいいかもしれません。

書籍化にあたってあった方がいいもの

「作家になったならまずは高い椅子を…!」なんて意見がよくありますよね。 だけど私は、まずは「パソコン」だと考えています。 最近では小説をスマホのみで執筆する人も多いです。かくいう私もスマホで書いているときがあります。
私の創作仲間にも多いのですが、パソコン自体所有していない家庭も多いようです。 (実際、スマホがあればたいていのことはできるので、不必要になるのも頷けます……)

書籍化の作業にあたって編集さんとテキストデータのやりとりをたくさん行います。 本1冊分の文字数を何度も何度も読み直したり、編集したり、書き直したり、組み替えたりするわけです。 スマホでできないとは言いませんが、めっちゃくちゃ疲れる可能性があります。 パソコンは決して安い買い物ではありません。ですが、書籍化作業中に体調を悪くしたら大変です。
ipad等のタブレットでもパソコンと同じようにOfficeソフトが使えるものもありますので、そちらでもいいかと思います。 大きな画面・操作しやすいものを使っての作業をおすすめします。

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■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。

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