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文章を書く7大お悩みを解決!②:お悩み初級編 何も思いつかない・うまくまとまらない1/2

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書こうにもそもそも何も思いつかないという人や、思いつくことは思いつくがどうにもまとまらない人に向け、その解決策を考える。

解決策①:問いを持とう! それが主題だ

情報をたくさん入れる。入れたら安静にする。

頭の中に何もないなら、どんなに頑張っても何も出てこない。インプットがなければアウトプットもないと言われるゆえんだ。
しかし、入れても出ないこともある。一日中、本を読んでいた。
かなりの情報を入れたからいいアイデアが浮かぶかというとそうとは限らず、いったんリラックスしないとアイデアは出ない。
脳にはデフォルト・モード・ネットワークという回路があり、これが脳内の面白い情報と情報を結びつけているのだが、この回路は休憩中、散歩中など安静にしたときでないと動かないからだ。

入れても出ない場合も

脳内の何かと何かを結びつける回路は脳活動が静まったときに慟く。リラックスしたときにひらめくのはそのせい。

近藤先生流伝わる文章術:思うのではなく思い出すことから始めなさい!

思い出せば題材は無数に

入社試験を受けたとき、「土」というテーマが出たのですが、それで開墾畑に行って芋を掘り、爪が真っ黒になった話を書いた。「土」について思うことはあるかと言われても何も書くことがないが、「士」にまつわる体験ならある。つまり、思うのではなく、体験したことをテーマに即して、思い出すことから始めなさいということ。
そのときに大事なのは、体験を通じて何に気づいたかを書くこと。この気づきがないと文章が進まない。そのあとに、気づいたことが世の中的にどういう意味を持つのかを書く。普遍性ですね。この「体験・気づき・普遍性」があれば、これでもう作文になります。

「現在・過去・未来」でまとめる

「現在・過去・未来」を書く型もあります。新聞記事の書き方がそうです。今何が起きているか、現在ですね。それはなにゆえに起きたか、過去です。そしてどうなっていくのか、未来。これはこれでひとつのまとめ方です。
また、文章は、対比的にものを見ていくことが大事です。今と昔、国内と海外、男と女のように考えると見えてくるものがある。あとは、書くことを紙に書き出す。メモは大事ですね。それで行き詰まったらいったん手を止めて、散歩に行くなりする。すると不思議とアイデアが降りてくるので、必ずメモを持っていくこと。

常時アンテナを立て、謎を得て思索する

書くことを思いつくには、知識や情報をインプットすることも大事だが、それ以上に、考えることが必要になる。

〈考える上でまず大事なのは、問いかけです。つまり、いかに「良い問」を立てるか、ということ。(中略) では「良い問」はどうすれば得られるのか? それにはかねがね持っている「不思議だなあ」という気持から出た、かねがね持っている謎が大事なのです。〉

(丸谷才一「思考のレッスン」)

この本の中では、考えるコツとして、「「当たり前なんだ」「昔からそうだったんだ」と納得しないこと」「漠然と考えず、別のものと比較しながら分析する」「大胆に仮説を立てる」といった方法が紹介されている。
こうした謎、問いかけから気づきや発見が得られ、それが文章の主題につながっていく。

メモを取るのは必須、発想を生むことも

思索とは頭の中であれこれ考えること。考えは思いついたら芋づる式にどんどん出てきたりするが、湧き出てきた考えを端から記憶しておくことは難しい。散歩中に何か思いつき、これは名案だと喜び勇んで帰ってきたらすべて忘れてら走り書きでもいいのでまずメモをする。もちろん、そのために筆記具(スマホでもいい) は必ず携帯しておく。
ただし、最初のメモは走り書きでもいいが、そのままにしておくとなんのメモかわからなくなるので、あとで清書し、表題をつけ、分類して整理しておく。
また、メモしたいくつかの着想を眺めているうちに、「これとこれを結びつければ文章になる」と気づいたりする。メモは発想を生むこともある。その意味でも整理して保管しておきたい。

題材を探す方法

思索をする

文童を書くきっかけは「疑問」。「なぜだろう」が多い人ほど書ける。この疑問は身近なこと、些細なことでもいい。

記憶を掘り起こす

テーマについてどう思うかと考えると苦しい。テーマから連想される実体験を思い出すほうがいい題材が得られる。

要素を書き出す

頭の中にあったものを書き出すと、要素が顕在化(はっきり) する。また、一見無関係に見える要素が結びつくことも。

樋口先生流基本の文章術:テーマと要素を書いて図化する

要素と自分の思想をつなげる

紙の中央にテーマを書きます。テーマが「車」なら「車」と書き、縦軸には「賛成、反対」など、横軸には「実用性、自分の象徴」のように書きます。
短い文章でも1 つの要素で書くのは難しいですから、1 0でも20でも書き出していく。その中に自分がもともと持っていた思想や考えと結びつくものがあったら、それで文章が作れます。
図は、実際に書いてみるほうがいい。
書き込めていない空白の部分がわかり、この部分は誰も書いていないから書く意味があると気づいたり、この要素とこの要素を結びつければ面白い文章になるなといった構想につながったりします。
それからこれは邪道かもしれませんが、最初にみんなが言いそうなことを思い浮かべ、それとは反対のことが言えないか考えてみるのも手です。逆説的に真理が突けたりします。

分類・整理・削除する

話がまとまらない人は、書こうとすることが整理できていないということが原因だと思います。
整理するには、図化するのが一番です。
見ているうちに、ここから書き出して、次にこれを書いて… … という道筋が見えてくることもあります。
頭が混乱している人は要素を分類、整理し、余分な要素を削除すれば、書くべきことが浮かんでくると思います。

 

※本記事は「公募ガイド2018年4月号」の記事を再掲載したものです。