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文芸公募ニュース 6.14更新 文芸トレンド

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地方文芸からステップアップした作家

〔公募文学賞column〕
プロ作家を目指すなら、プロの登竜門と言われる大手出版社系の文学賞に応募するのが最短距離とも言えるが、のちの有名作家がマイナーな文学賞を受賞していることがある。今回は、そんな文学賞にスポットを当ててみよう!

まずは、北日本文学賞。規定枚数30枚ジャスト、賞金100万円ということで人気があるが、歴代受賞者の中にのちのプロがいる。

第24回「帰国」高嶋哲夫
高嶋氏は、その後、1999年に『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞を受賞。2010年には『首都感染』が話題となった。

次は、北区内田康夫ミステリー文学賞。自治体文学でミステリーという文学賞。同賞の受賞者の中にものちの有名人がいる。

第4回 区長賞(特別賞)「志乃の桜」高田郁
言うまでもなく「みおつくし料理帖」シリーズが人気の時代小説作家だ。

最後は、伊豆文学賞。静岡県内の自然、地名、行事、人物、歴史などを題材にしないといけないが、賞金100万円とあって根強い人気がある。
過去28回の中に、のちに著名となる作家が二人いる。

第10回「海煙」土橋章宏
のちに『超高速!参勤交代』(脚本は城戸賞受賞作でもある)がヒットする時代小説作家だ。

第19回「蹴れ、彦五郎」今村翔吾
のちの直木賞作家、今村翔吾さん。今村さんは現在、同賞の選考委員もしている。

番外編。今は募集は休止しているが、1994年~2017年、九州さが大衆文学賞という賞があり、この受賞者がめちゃめちゃすごい! 大手出版社の文学賞並み!
主だったところを挙げてみよう。

第3回大賞 永井するみ
のちに第18回小説推理新人賞、第1回新潮ミステリー倶楽部賞受賞。

第3回奨励賞 山本甲士
のちに第16回横溝正史賞優秀作受賞。

第5回大賞 海月ルイ
のちに第37回オール讀物推理小説新人賞、第19回サントリーミステリー大賞受賞。

第9回佳作 植松三十里
のちに第27回歴史文学賞、第28回新田次郎文学賞、第15回中山義秀文学賞受賞。

第12回大賞 梶よう子
のちに第15回松本清張賞受賞。

第23回大賞 今村翔吾
のちに第10回角川春樹小説賞、第166回直木賞受賞。

いやあ、なんですかね。これはちょっとびっくり。
受賞すると、弾みがつく文学賞ってあるのかな。稀有な文学賞です。
選考委員も笹沢左保、森村誠一、夏樹静子、北方謙三と豪華な面々で、賞金100万円で全国公募。2018年以降は中断していますが、復活しないかなあ。


文芸トレンド

高校生直木賞決定

高校生直木賞は、全国の高校生が議論し、直近1年間の直木賞候補作から「今年の1冊」を決めるというもの。全国の高校(文芸部や図書委員会など複数で討議できることが条件)が対象で、参加希望校多数の場合は抽選で選出される。
参加校は候補作5~6冊を読み、まず地方予選大会で議論。各ブロックから選ばれた候補作について議論し、最終的には全参加校による投票で受賞作を決定する。

今年に候補作は、以下の5作品。

『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介
『ともぐい』河﨑秋子
『襷がけの二人』嶋津輝
『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子
『八月の御所グラウンド』万城目学

この中から、
『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介
が高校生直木賞に選ばれた。

芥川賞、直木賞候補作決定

第171回(2024年下半期)の芥川賞、直木賞の候補作が決まった。

<芥川賞候補作>
朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」新潮5月号
尾﨑世界観「転の声」文學界6月号
坂崎かおる「海岸通り」文學界2月号
向坂くじら「いなくなくならなくならないで」文藝夏季号
松永K三蔵「バリ山行」群像3月号

<直木賞候補作>
青崎有吾「地雷グリコ」KADOKAWA
麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」文藝春秋
一穂ミチ「ツミデミック」
岩井圭也「われは熊楠」文藝春秋
柚木麻子「あいにくあんたのためじゃない」新潮社

選考結果は、2024年7月17日に発表。芥川賞文藝春秋9月号に受賞作全文と選評を掲載、直木賞はオール讀物9・10月合併号に受賞作の一部と選評を掲載。

小説新レーベル創刊ラッシュ

小説の新レーベルの創刊が続いている。

2024年1月31日、BookBaseは、新たなライトノベルレーベル「ダンガン文庫」を創刊。
2024年4月23日、飛鳥新社はライト文芸の新レーベル「with stories」を創刊。
2024年5月15日、コスミック出版は、ライトノベル新レーベル「ハガネ文庫」を創刊。
そして、つい最近の2024年6月7日、ブシロードワークスは、新たな出版レーベル「ブシロードノベル」を創刊。

いずれもライトノベル、またはライト文芸で、10代、20代といった若年層がターゲットと見られる。

ダンガン文庫は電子書籍レーベルで、印刷しないためコストが削減でき、印税45%と作家へのリターンが破格。
with storiesは、本格的な小説の入り口という意味でライト文芸(ライトノベルと一般文芸の中間)を選び、レーベル名も「with stories=物語とともに」とした。
ハガネ文庫は、書き下ろしのほか、「小説家になろう」などWEBに掲載された小説をランナップとする。
ブシロードノベルも、投稿型WEBサイトに掲載された小説を中心に刊行していく。
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