祝・ノーベル文学賞受賞! 韓国文学の魅力に触れよう 2/2
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韓国書籍出版社にインタビュー!
ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞について、韓国文学書籍の日本語訳出版などを手掛ける出版社・クオンさんにメールインタビューをしました。
編集部:今回、ハン・ガンさんはどのような点を評価されたとお考えでしょうか。また、今後の韓国文学シーンにも影響がありそうでしょうか。
クオンご担当者(以下クオン):人間の弱さと深い悲しみ、そして回復を、繊細で優れた文体で表現する点ではないでしょうか。ハン・ガンさんの作品が選ばれたことは、暴力が止まないこの時代にとても意義があるのではと思います。
また、ハン・ガンさんの作品はもとより韓国文学全体に注目が集まり、さらに多くの作品が数々の言葉で訳されるようになるのではないでしょうか。
クオンさんでは、アジア初のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンさんの『菜食主義者』の邦訳を出版しています。ハン・ガンさんはその後『すべての、白いものたちの』でブッカー国際賞に2度目の候補に。詩的で美しく、かつ強い芯のある表現で、女性、そして人間について迫る作品です。
編集部:今回の受賞を受けて、韓国文学書籍について増刷中と伺いました。反響はいかがでしょうか?
クオン:クオンが運営する書店「チェッコリ」では、韓国語の原書と邦訳の両方を扱っています。受賞の一報が流れた直後から、どちらも注文が続々と入りました。クオンが出している日本語版4タイトルにも全国の書店・図書館から注文が相次いています。こんなにも電話が鳴りやまない状況は初めてです。
長年韓国文学を読んできた書店員・司書の方たちも多く、「これを機にぜひ読んでほしい」という心のこもった特設コーナーの様子がSNSにもたくさん上がっています。
また読者の方たちが今回の受賞に際して、「おめでとう」だけでなく、「うれしい!」と仰っていることも、とても印象的でした。
クオンさんが運営する書店「チェッコリ」は、本の街でおなじみ東京・神保町にあります。韓国文学にどっぷりひたれるおしゃれな空間。韓国語の古書も販売しています。
初めて日本語訳を読んでみたいと思う人はもちろん、韓国語を勉強中の人はスタッフさんと韓国語で会話してみても!
韓国文学関連の公募にも注目
韓国文学に興味がでてきた人は、公募にその興味を生かしてみませんか?
韓国語を母語としない中高生対象。スピーチ部門とスキット部門があります。全国大会に進出した高校生は、立命館大学のAO選抜への出願資格が与えられるとのこと。

こちらもスピーチ部門とスキット部門がありますが、韓国語学習者を対象としており、年齢制限はありません。応募は先着順で締め切るので、早めに申し込みを!

韓国のD&C Mediaと日本のStudio Moon6が「小説家になろう」と初めてコラボしたインターナショナルな小説賞。受賞者は韓国での連載に向けてのサポートが受けられます。

前述の韓国文学出版社・クオンさんが開催している翻訳コンクール。翻訳者を目指す人は、勉強しはじめたばかりの人も、ベテランの人もぜひ挑戦を!

すでに韓国文学が好きな人も、韓国映画やKpopなど別のジャンルが好きだった人も、あまり触れる機会がなかった人も。ぜひ今年のノーベル文学賞をきっかけに、韓国文学の深みにはまってみてはいかがでしょうか? あらたな視点を得たり、自分の創作の幅が広がったりするきっけになりそうです。