マーク・ゴンザレス氏勝訴!アートワークと商標権の行方は?東京地裁が画期的判決
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スケートボードの伝説的人物として知られるマーク・ゴンザレス氏と、サクラインターナショナル株式会社との間で繰り広げられていた法的争いに、ついに決着が付いた。2025年1月30日、東京地方裁判所が下した判決は、アートワークの著作権と商標権の帰属に関する重要な判断を示し、業界に大きな波紋を呼んでいる。
本判決では、マーク・ゴンザレス氏の主張がほぼ全面的に認められた。裁判所は、ゴンザレス氏が制作したアートワークの著作権がサクラインターナショナル社に帰属していないと明確に判断。さらに、同社が保有していた8件の商標権についても、ゴンザレス氏への返還(移転登録手続)を命じた。
この判決は、サクラインターナショナル社の主張を正面から否定したという点で、非常に画期的なものとなった。同社は、エンジェルに関する著作権が自社に帰属し、商標権の返還義務を負わないと主張していたが、裁判所はこれらの主張を明確に退けたのである。
また、昨年8月に知的財産高等裁判所が下した判決との関連性も注目される。前回の判決では、サクラインターナショナル社が保有する商標権のうち3件が無効とされ、4件が有効とされていた。今回の判決では、その有効とされた4件の商標権についても、サクラインターナショナル社が返還義務を負うと明確に判断された点で、大きな意義を持つ。
さらに、本判決に先立つ1月21日には、ゴンザレス氏の申立てにより、サクラインターナショナル社に対して商標権の処分禁止を命じる仮処分決定も下されている。これにより、同社は新たに第三者への譲渡や使用権の許諾等を行うことが禁止されることとなった。
この一連の判決を受け、ゴンザレス氏側は今後、ブランド運営の強化・加速を図るとともに、サクラインターナショナル社らに対して責任ある対応を求めていく方針だ。ただし、本判決はまだ確定していないため、今後の展開にも注目が集まっている。
アートと法律が交錯するこの事案は、クリエイターの権利保護と企業の商標戦略の在り方に一石を投じるものとなった。今後、同様の事例に対する先例としても、大きな影響を与えることが予想される。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000034756.html