1300年の歴史を持つ「丹波漆」を未来へ!26年ぶりの漆掻き職人が挑む伝統文化の再生


京都府福知山市の夜久野地域で1300年の歴史を誇る「丹波漆(たんばうるし)」。一時は消滅の危機に瀕していたこの伝統文化を未来へつなぐべく、26年ぶりの漆掻き職人として奮闘する山内耕祐さん(37)の挑戦が注目を集めている。
山内さんは2013年、当時26歳で福知山市に移住。「価値のある仕事なのに消えてしまうなら、自分がやろう」と決意し、漆掻き職人としての道を歩み始めた。その背景には、後継者不足やウルシの木の減少により、京都府指定の無形民俗文化財「丹波の漆かき」の技術が途絶えかけていた現状があった。
山内さんの努力により、移住前と比べて職人は1人から4人に、ウルシの木は約400本から約1800本に増加。さらに2024年には、山内さんが理事を務めるNPO法人丹波漆が、西日本で初めて国から「日本産漆生産・精製」の保存団体として認定される予定である。
しかし、山内さんにとってはまだ道半ば。「現在の達成度は25%程度」と語る彼の目標は、原木の本数を3000本に、漆生産量を60kgまで増やすことだ。これにより、丹波漆を伝統文化として再生するだけでなく、里山環境の保全や移住者増加など、地域活性化にも貢献したいと考えている。
この挑戦を支援するため、福知山市はふるさと納税の新プラン「ウルシの木の植樹」を開始。寄附者の名前を付けた苗木を植樹し、約10年間育成する。成長した木から採取される丹波漆は、文化財修復など日本の伝統文化を未来へつなぐために使用される。
山内さんは「丹波の漆掻きが地域の人達と自然の中に根付き、共に豊かに持続する未来を目指したい」と語る。1300年の歴史を持つ丹波漆。その未来を切り開く若き漆掻き職人の挑戦は、日本の伝統文化の新たな可能性を示している。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000053572.html