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芍薬と牡丹と百合。あなたは違い、分かりますか?【わずかな違いを判別 見分ける君】

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見分ける君
コラム
イラスト :まつむらあきひろ

判別1芍薬と牡丹と百合

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言うが、百合は全く形態が違う。
問題は芍薬と牡丹で、英語ではともにピオニーと言い、花もよく似ている。
ただ、芍薬は草本植物(草)、つまり草であり、牡丹は木本植物(樹木)、すなわち木だ。
違いは葉を見るとわかり、芍薬の葉は細く切れ込みがないが、牡丹は切れ込みがあり、三つに分かれている。

面白雑学。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は美しい女性をたとえたものだが、これは生薬の使い方を示したものという説もある。つまり、苛立ちやすい女性は芍薬の根を、座ってばかりに女性は牡丹の根の皮を、ふらふら歩く女性は百合の根を用いるとよいという意味だそうだ。実際、芍薬も牡丹も百合も根に薬効がある。

百合 lily
百合は、ユリ科ユリ属の多年草。茎が長く、釣り鐘型の花を咲かせる。和名の由来は「揺り」。
百合は球根の鱗片(りんぺん)が百枚ほど重なっているため、「百合」の漢字が当てられている。
ちなみに、夏目漱石の『夢十夜』に出てくる女性は百合さんで、夢の中で百年後に合う(会う)。

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茎が高く、釣り鐘型の姿は、芍薬と牡丹とは明らかに違う


芍薬 peony
芍薬は、ボタン科ボタン属の草本植物。アジア北東部原産で、日本には中国から伝わる。英語ではチャイニーズ・ピオニーと言う。芍薬の和名は、しなやかで優しい様子を意味する「綽約(しゃくやく)」から来ているとも、また、芍(美しい)草から来ているとも言われる。

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芍薬の葉にはツヤがあり、切れ込みがない。花は頭ごと散る


牡丹 peony
牡丹は、ボタン科ボタン属の落葉低木。原産は中国で、奈良時代に薬用として輸入され、その後、観賞用に園品種が多数作られる。中国でも牡丹と書き、これがそのまま伝わる。木本植物であることから、ツリー・ピオニーと言われることもある。
種子から育てることもあるが、花が咲くまで5~10年かかるため、同じボタン属の芍薬を台木として接ぎ木して栽培する。

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牡丹の葉にはツヤがなく、切れ込みがある。花は1枚1枚散る

 

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