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戦争体験者からの切実なメッセージ:絵本『ぼくが子どものころ戦争があった』が語る平和の尊さ

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報道発表
『ぼくが子どものころ戦争があった 「いくさの少年期」より』(プレスリリースより)

戦後80年を迎える今、戦争体験を語れる最後の世代からの貴重なメッセージが絵本となって届けられた。ロクリン社から出版された『ぼくが子どものころ戦争があった』は、昭和8年生まれの田中幹夫さんの実体験を基に、戦時中の日本の様子を生々しく描き出している。

絵本は、1941年12月8日の真珠湾攻撃から始まり、日本の大勝利に沸く国民の姿、そして徐々に厳しくなっていく生活の様子を丁寧に描写している。当初は「日本は神国、絶対に勝ちます!」と教えられた子どもたちが、やがて食糧難や空襲、そして原爆投下という悲惨な現実に直面していく過程が、リアルに表現されている。

特に印象的なのは、主人公の幹夫少年の目を通して描かれる戦争の影響だ。大好きだった先生が戦地に赴き、二度と帰ってこなかった悲しみ。教科書を墨で塗りつぶし、それまでの教えが間違いだったと知らされる混乱。これらの経験は、戦争がもたらす精神的な傷跡の深さを如実に物語っている。

本作の意義は、単なる歴史の記録にとどまらない。終戦後、「ぼくたちは、戦争のない国を作ります。きっときっと、作ります」と誓った幹夫少年が、大人になって人権派弁護士として活躍したという事実は、平和を守る責任が次世代に託されていることを強く訴えかけている。

戦争の絶えない現代社会において、この絵本は子どもたちだけでなく、大人にとっても平和の尊さを再認識させる貴重な教材となるだろう。著者の田中幹夫さん、文を担当した寮美千子さん、絵を描いた真野正美さんの想いが詰まった本書は、平和な未来を築くための重要な一歩となることは間違いない。

戦後80年の節目に出版されたこの絵本が、多くの人々の手に渡り、平和について考え、語り合うきっかけとなることを願ってやまない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000081580.html