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奈良美智の傑作《Pinky》がオークションに初登場!約15億円の予想落札価格に注目が集まる

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報道発表
奈良美智; 《Pinky》, 2000年; アクリル・キャンバス 160 x 145 cm; 予想落札価格:US$7,690,000–10,260,000 (約11億6千万円 - 15億4千万円)(プレスリリースより)

現代アートの世界で高い評価を受ける日本人アーティスト、奈良美智の代表作《Pinky》が、フィリップス・オークション香港の2025年9月28日開催のイブニングセールに登場することが発表された。本作は奈良にとって転機となった2000年に制作されたもので、オークション初出品となる。予想落札価格は約11億6千万円から15億4千万円と、美術市場の注目を集めている。

《Pinky》は、奈良の特徴的な「顔と肩」の構図を持つ作品の一つで、淡いブルーの服を着た少女が静かに見つめる姿が描かれている。この作品は、奈良が12年間のドイツ滞在を経て日本に帰国した年に制作されており、純真さと静かな哀愁を内包した奈良独特の世界観が表現されている。

フィリップス・オークションのアジア モダン&コンテンポラリーアート部門統括責任者、メイリン・リーは、「《Pinky》は奈良が一貫して探求してきた"孤独"というテーマを最も純粋なかたちで体現した一点」と評している。また、現在ロンドンのヘイワード・ギャラリーで開催中の奈良の大規模な回顧展とも呼応する重要な出品作となることが期待されている。

一見シンプルな構成に見える《Pinky》だが、幾層にも重ねられたアクリル絵具による描写には、作家の筆致と感情の起伏が如実に表れている。背景の空気感や、絵肌に滲むフューシャピンクの色調には、創作の葛藤や内面の揺らぎが感じられ、奈良の音楽的感性の変遷も反映されているという。

フィリップス・オークションは近年、奈良美智作品のオークションマーケットをリードしており、これまでに《Baby Blue》や《Missing in Action》など、数々の高額落札を記録している。《Pinky》の出品は、アジア進出10周年を迎えるフィリップスにとっても特別な意味を持つセールとなりそうだ。

美術品収集家や現代アート愛好家にとって、この《Pinky》のオークションは見逃せない注目イベントとなりそうだ。奈良美智の作品価値の高まりと、現代アート市場の動向を占う上でも、重要な指標となるだろう。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000132287.html