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作家直伝 ライトノベルが出版されるまで イラストチェックって? 校正作業って作家は何をするの?

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Pickup!

⑥原稿修正・二稿提出

初稿を提出してしばらくすると、担当編集からメールで修正指示がきます。それを反映させた原稿が「二稿」。デビュー作はそれほど修正が多くなかったので、作業に掛かった期間は二週間ほどで済みました。

なお、修正指示はメールでのやり取りではなく、都度打ち合わせを行う場合もあります。

⑦イラストレーター決定・資料提出

二稿提出から数日後、編集さんから担当してくれるイラストレーターさんが決まったと連絡がありました。最初の打ち合わせを行ってから五か月ほど経ったタイミングですね。なお、多忙だったり、スケジュールが合わなかったりで何度か打診を断られてしまったらしく、その度に編集が新たな方をピックアップ→その中から自分が選ぶというやり取りを行った上なので、スムーズに決まればもっと早いでしょう。

そこで作家はイラストレーター用の資料として、年齢・身長・髪型・髪色――など、キャラクターの特徴をわかりやすくまとめたものを用意する必要があります。私は自分用にまとめたキャラクターシート(Googleスプレッドシートで作成)があったので、そちらを提出しました。

⑧原稿修正・三稿提出

二稿提出からしばらく(私の場合は二ヶ月でした)、再度修正指示が来ますので、それを反映させていきます。ここまで来れば微修正だけで済むことが多く、そう時間は掛からないでしょう。私も一週間も掛かりませんでした。

そうして完成させた原稿が「三稿」です。基本的にはこの三稿でOKが出るんじゃないかと思います。

⑨キャラクターデザイン・カバーラフ・イラスト指定(口絵)確認

三稿の提出からすぐ、イラストレーターさんから編集を経由してキャラクターデザインのラフが送られてきました。作家が最もテンションが上がる瞬間です。ここで何かイメージと違うところだったり、設定や文章との間に齟齬がある場合は、「ここをこうしてほしい」と要望を伝え、何度かやり取りすることでデザインを固めていきます。

それから二週間後、今度はカバー(表紙)イラストの下書きが送られてきました。清書後の修正は難しいので、このタイミングで隅々までしっかりとチェックし、修正してほしいところがあれば伝えます。なお、表紙の構図は編集さんが決めることがあれば、事前に打ち合わせなどで一緒に考えることもあります。

また、カバーのラフと一緒に送られてきたのが、口絵(最初のカラーイラスト)の指定書。「こういう構図で」「キャラは○○と△△で」と、イラストレーターさんに対する指示が記載されているので、それを確認して補足などを付け加えました。自分はすべての作品でこの指示書を確認させていただいていますが、ない場合もあるようですね。

⑩カバー(表紙)イラスト・口絵ラフ確認

二週間と数日後、カバーの清書イラストと口絵のラフデザインが届きます。カバーはタイトルこそ入っていないものの、実際の表紙イラストとなりますので、テンションも最高潮です。また、カバーの時と同様に口絵のラフも送ってくれているので、本文と矛盾するところがないか、隅々までチェックします。

⑪校正作業(初校)

カバーイラストが送られてきたのと同時期、校正用の原稿(ゲラ)が届きます。今回例に挙げているデビュー作はメールでPDFの形式で送られてきましたが、実際に印刷した紙が送られてくるケースもあります。自分は両方とも経験がありますが、紙で校正作業を行ったほうが圧倒的に楽だったので、どちらか選べる場合は紙を選ぶといいかも。

ゲラには校正者さんからの指摘や疑問が恐らく大量に入っているので、一つずつ確認し、指摘を採用するか、そのままいくかを答えていきます。また、ここで本文を修正することもできるので、表現などを微修正したい場合はその文章を書き込みましょう。

そうしてコメントへの対応が終わったら編集さんに送り返します。この原稿、また、この作業全体を指して「初校」といいます。

⑫あとがき提出

初校を送ると、編集さんから「あとがきを書いてほしい」と言われました。本の最後のほうのページにある、作者からのコメントですね。ここは自由に書いてOKですが、ページ数の都合で「大体このくらいで」と指定されることもあります。